毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。
先日、とあるお店の会議に出席した時に以下のような会話がありました。
上司「今月の利益計画の進捗はどうなっている?」
店長「利益計画の達成は厳しい状況です。」
上司「なんでそうなる前に手を打たなかったんだ?」
店長「いや、利益確保を進めてはいたんですが、如何せん稼働が低くて・・・。」
上司「どれどれ、データを見せてみろ。」
上司「玉利が高いな。こんなことをしているから稼働が落ちるんだぞ!」
店長「でも利益確保のためには取っていかないと・・・。」
上司「わかってないな!稼働がないと何も始まらないんだぞ!」
上司「この機種の運用をもっとしっかりしていれば稼働の落ち込みを避けられて・・・。」
上司「この日にこんなに取り過ぎたから稼働も落ちて・・・。」
こんなやり取り、現場では多く見られます。でもこの会話、何かがおかしいと思いませんか?
「上司の言い分がおかしい。利益の話がいつのまにか稼働の話に変わっていっている」
そうですね。
上司の話がいつの間にか利益から稼働にかすり替わっていて、結局取っていればよかったのか出せばよかったのかどっちなのでしょう。
でも、実はこの会話のおかしな点はそこではありません。
本当におかしな点は、結果(過去)の追求しかしていないことなのです。
■ 議論は過去ではなく、未来を語ろう
もちろん問題となっていることの原因をしっかりと把握することは重要です。
でも本来は、「こういう結果だから、この先をどうする必要があるのか?」を議論していかなくてはいけないはずです。
「問題」と「課題」という2つの言葉があります。この両者は似て非なるもので、
問題・・・「~がダメだ」=過去のこと
課題・・・「~すべきだ」=未来のこと
という違いがあります。
内容的には両者とも同じことを言っているのですが見ている方向が真逆なのです。
たとえば「スタッフ数が足りない」という事象については、
問題としてみると・・・「人手が不足していることがダメなんだ」(これまでの結果)
課題としてみると・・・「人員補充をするべきだ」(これから必要なこと)
という違いになります。
今回の上司と店長の会話を本来あるべき姿に直すと、
上司「今月の利益計画の進捗はどうなっている?」
店長「利益計画の達成は厳しい状況です。」
上司「そうか。その原因をどう分析している?」
店長「稼働の低迷が主な要因です。割数があっていても金額で追いつかない状況です。」
上司「そうか、分かった。では今の状況を改善するために何をすべきだろうか。」
店長「稼働の回復を図るための施策を打つべきだと思います。そしてその財源確保のために、当面は利益の確保を優先すべきだと思います。」
上司「よし、分かった。では当面は利益確保に専念してくれ。その間に施策計画を練ろう。」
店長「畏まりました。そのように進めます。」
といったところでしょう。
多くの会議の場では得てして責任追及、結果論の議論ばかりになりがちです。
そうではなくて原因分析の先にある未来、これから何をするべきかの議論をするように意識してください。
過去の結果にばかりとらわれすぎていてはいつまでたっても未来は変わりませんよ!
常に前を向いて、この先にすべきことを考えることが現状脱却への道です。
■ 利益と稼働を両立する考え方
-稼働を上げるには、出さなければいけない
-利益を上げるには、シメなけれないけない
この思考は間違っています。
アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社では一貫して「利益を増やせば、稼働は伸びる」とお伝えしています。
なぜそう言えるのか?
その答えはこちらをご覧ください。
⇒ https://www.ab-c.jpn.com/8655