毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
今週のお話は外部環境的に良いと思われる時期(SWOT分析でいう“O(opportunity=機会、チャンス)”の時期)に取り組もうとした施策およびその結果についてです。
結論から言えば、「こういったことを考えていては業績の向上はできませんよ!」というお話です。
例えばGW、例えばお盆や年末年始などちょっとした長めの休日前には得てして大型版権などのビッグタイトルの納品があります。
しかしそんな機種が手に入るならよいとして、今回取り上げるお店としては手に入るはずもなく残念ながら連休後の納品となることが濃厚でした。
これに対しての店舗会議での意見は下記のようなものでした。
店長「この大型版権機種は絶対に必要ですし、遅れてでも導入したほうがいいと思います。」
部長「そうすると連休で競合に差をつけられる。その対応は店長としてどう考えているのか。」
店長「連休中は出玉でアピールすればよいのではないでしょうか。」
だいたいこういったペースで話が進みました。結論は、
① 連休後に新台で導入
② 連休対策は連休中をシメないこと
③ 連休後に競合が落ち込むときにこのビッグタイトルで勝負をかける
です。
これまでこの連載を読んでいただけている方はもう、何が間違っているかわかりますね。
①・・・販売台数も多く連休後には中古価格が低下している(はず)
②・・・取るべき時に取っておかないでいつ取れるのか
③・・・落ち込むとき=脅威の時に仕掛けても効果が薄い
簡単に上記のような結果が想像できます。
案の定、連休中に出したことで利益の確保もままならず、連休中後に稼働が上がるかと言えばそうでもなくむしろ稼働は落ち込み、そんなときに遅れてビッグタイトル(といってもすでに突出した稼働でもなくなっていますが)を導入しても盛り上がりもなく・・・。
今回のような場合にすべきだったのは、
① 連休後に中古購入で機械代を抑える
② 後の仕掛けのために、利益確保できる時に取っておく
③ 連休後に照準を合わせるのではなく、次の「機会」に照準を合わせる
でした。
業績を上げるのに奇手はありません。一番の近道は王道、基本に沿うことです。
「戦略の基本」とは、
・強みを機会に投入する
・弱みを前面に出さない
・脅威となるときに仕掛けない
です。
これら基本の考え方を忠実に実行することを意識してもらいたいです。業績向上を考えるなら「当たり前のことを当たり前に」実行してください。
「奇手」はありませんよ!
■ 利益と稼働を両立する考え方
-稼働を上げるには、出さなければいけない
-利益を上げるには、シメなけれないけない
この思考は間違っています。
アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社では一貫して「利益を増やせば、稼働は伸びる」とお伝えしています。
なぜそう言えるのか?
その答えはこちらをご覧ください。
⇒ https://www.ab-c.jpn.com/8655