最近ホントにパチンコが厳しい!機械頼みの限界だと思っています。だからこそ考えてほしい「社員さん満足」。
ここABCウェブサイトを訪問されている方の大半がお店で管理者またはリーダーに相当する役職の方だと思います。もちろん販売側(メーカーさん、販社さんなど)の方もいらっしゃると思いますが、彼らもまたそこそこの立場の方ばかりでしょう。
そこそこの立場=リーダー。皆さん日々、部下とのコミュニケーションに悩み、業績に悩んでいると思います。
今回、私としては珍しく(?)リーダーシップとコミュニケーションについて書いてみたいと思います。と言ってもやはりマーケティング的視点からとなりますけどね!
主題は「インターナルマーケティング」です。
はて?初めて聞いたぞ?という方、是非お読みください!
インターナルマーケティングをしよう
仕事とは、例えば物販であっても提供しているものは「お客様のお困りごとを解決する、サービス」です。お困りごと解決の手段が商品の販売で、それがサービス業での接客に該当するのですよね。
しかし単に販売すればよい、接客すればいいというものではなく、そこに「ヒト」が介在する限り「コミュニケーション」はとても重要です。
普段何気なく周りと接しているかもしれませんが実はそれこそが仕事で成功するためのカギとなります。
つまり「部下と円滑なコミュニケーションを取ることが業績向上につながる」ということであり、そのメカニズムは「インターナルマーケティング」という言葉に集約されます。
3つのマーケティング
マーケティングとはお客様のためになる行動のすべてを言うのですが、それをもう少し分解すると以下の3つに分けられます。
① 企業が顧客に対して行うマーケティング:エクスターナルマーケティング
② 社員が顧客に対して行うマーケティング:インタラクティブマーケティング
③ 企業が社員に対して行うマーケティング:インターナルマーケティング
①は理解しやすいことでしょう。いわゆる皆さんが普段行っている「お客様への仕掛け、行動」です。直接お客様に働きかけるのですから、例えばサービスの提供であったり情報の提供であったりと予算を使って会社が行う行動のことです。
しかしエクスターナルマーケティングはお客様になかなか響かないという特徴があります。
皆さん自身が「顧客、消費者」となって考えればスッと理解できると思いますが、企業側から「コレはこんなに素晴らしいんですよ!」というCM、キャッチコピーを見ても、それですぐに「買おう!」という行動には結びつかないはずです。
だからこういったマーケティングは過去や他社の実績を基にした数値を参考に「比率」で効果測定をします。
よく言われる「1%の実績でマーケティングは大成功」というもので、「比率が○%なのだからとにかく母数を増やそう、そうすれば実数は増える」としてとにかく大掛かりにプッシュ型マーケティングをすることになります。とにかく予算が必要で、且つその効果はなかなか得にくいという特徴を持つのがエクスターナルマーケティングです。
そこで②の考え方に行き着きます。
「企業側の働きかけは直接のフィードバックが確認しづらいが、現場で接するコンタクトパーソネルが宣伝、つまりマーケティング活動をすればいいのではないか?」
普段から直接お客様と接している社員さんがコミュニケーションを取り、その関係性を高めることでお客様は自店、自社にロイヤリティ(愛顧心)を持つことにつながりひいては業績に返ってくると思われます。お客様との双方向なやり取りを直接持つことを推奨することで、これをインタラクティブマーケティングと言います。
これは確かに効果が高そうですが、これにもちょっとした問題点がありました。それは「接遇する社員さんが、企業が思うように動いてくれるとは限らない」というものです。
社員さんに「こうしてね!」と指示を出します。もちろん行動するのは社員さん。そこでやらされ感、適当な行動をされたらどうなるでしょう?お客様には逆にマイナスの印象を与えてしまいます。企業は直接=エクスターナルマーケティングならば企業自身の行動なので管理できますが、社員さんに任せることでその行動管理が難しくなるのです。
以上の流れで③の考え方が重要、となりました。
つまりお客様と直接接する社員さん自身を『企業にとってのお客様』と定義し、彼ら(社員さん)に満足感、会社に対する愛顧心を高める活動をすれば、「自分が所属する集団(企業)の良さをもっとお客様に伝えよう!」と行動してもらえるのではないか?ということです。これをインターナルマーケティングと呼びます。
これを図で表すとこのようになります。
社員さん満足を高めるには?
社員さんの満足度が業績向上にとても重要だということがわかりました。「では何をすればいいの?」となりますよね。
「給料を上げればいい?」
「お休みを増やす?勤務時間を少なくする?」
「いや、逆に稼げるようにシフトにどんどん入れる?」
このように考えるかもしれません。
しかしこれらはあまり効果的とは言えないです。「満足」というものは外部の働きかけ(外的要因)よりも自分の内側から湧きおこる気持ち(内的要因)の方が持続するものです。外部要因は「一過性、瞬間的」なのです。
満足度が高まる=モチベーションの向上には2種類あります。
一つ目はマイナス状態を±0にもっていくものでこれを「衛生要因」といい、「ないと不満がたまるが、想定以上にあっても一定ライン以上のモチベーション向上にはつながらない」のです。
もう一つが±0状態をプラスにもっていくもので、「動機付け要因」といいます。「なくても気にしないが、あるとメチャメチャヤル気が出る」もので、例えば立場が上の人から声をかけられるなどが該当します。
「社長が『お疲れさんだね!』と声をかけてくれた!メッチャヤル気出た!」、皆さんにも経験があると思います。また「店長が話を聞いてくれた」、これだけでもヤル気が出たはずです。
社員さんに話しかける、コミュニケーションを取る。それが社員さん満足を向上させ、それがインターナルマーケティングとして社員さん⇔顧客のコミュニケーションとなって業績向上につながることになります。
さてさて。
ここまでで「業績向上には会社からの働きかけよりも社員さんからの働きかけの方が効果的だ、だから社員さん満足を高めよう。そのためにはコミュニケーションを取るべきだ」ということがわかりました。
「では、どのように?」
聴く、わかる、感謝する
一つ目に強調したいのが「聴くこと」です。コミュニケーションの大半は聴くことから始まると言っても過言ではないですね。相手が何を求めているのか、何に困っているのかを理解するためには、まず彼らの話を丁寧に聴くことが必要です。
次に「理解を示すこと」を意識します。つまりただ聴くだけではなく自分が相手の話を理解していることを示すこともまた重要なのです。頷いたりそれを言葉にしたりして「なるほど、あなたが言いたいのは~ですね!」などをすることで相手は自分が理解されていると感じ、安心してさらに情報を開示していくようになります。
そして三つ目は「感謝の言葉を忘れないこと」です。感謝の気持ちを常に忘れず、それを伝えることはやはりとても大切です。「心からのありがとう!」は、ただの礼儀ではなくつながりを深め、次に繋がる大事な糸口となります。
以上の3つのポイントは「ヒトと接する」際の基本的な心掛けです。
それは小さなことかもしれませんが、これらが積み重なることで大きな差となり結果として社員さんの満足を高めることになり、以って業績の向上につながります。
何よりも大切にすべきは「真心」です。どんなに言葉が巧みでも心のこもっていない限り相手には伝わりませんよね。どんなに小さな仕草でも真心がこもっていれば、それは相手にとって大きな安心感に繋がります。そしてそれが社員さんの提供するサービスの品質を高め、お客様にとっての満足度を向上させ、お客様がまた店を訪れ、サービスを受けたいと思う大きな理由となります。
インターナルマーケティングとは「社内の力を引き出す秘密のレシピ」
企業の成功には非常に重要な要素である「インターナルマーケティング」、それが社員さんとの円滑なコミュニケーションを土台としていることがわかりました。
最後にこのインターナルマーケティングがどのように企業を強く、ユニークな存在に変えていくのかを見ていきたいと思います。
「インターナルマーケティング」、この言葉は直訳すると「内部マーケティング」となります。つまり、企業内部を対象にしたマーケティング活動のことを指しています。
多くの人が普段考えるマーケティングは企業から消費者へのアプローチ、つまり「エクスターナルマーケティング」です。しかし、「インターナルマーケティング」はその内側、つまり社員を対象にした取り組みを指します。
インターナルマーケティングの目的、それは「社員さんが自分たちの働く企業に誇りを持ち、エネルギーに満ち溢れ、一緒に成長しようとする環境を作り出すこと」です。このような環境があれば社員さんは自分自身でよりパフォーマンスを上げ、お客様に対するサービスも向上します。これが「インターナルマーケティング」の真髄です。
このための具体的なアクションが今回取り上げた「社員さんへのコミュニケーション」です。企業のビジョン、ミッション、目標を明確に共有し、全員が同じ方向を向いて進むためにコミュニケーションを取るのです。また社員さんの声を大切にし、フィードバックや意見を収集し、改善に活用することも大切です。
ここまで見てきたように「インターナルマーケティング」は企業の成長のための重要なスパイスです。
ただ、残念ながら多くの企業がこのポイントを見落としています。
その理由の一つは直接的な売上につながらないと感じること、目に見えないことかもしれないです。
しかし間違いなく良好なインターナルマーケティングは長期的な成功につながります。だからこそ自社の社員さんを育て、エンゲージさせることに注力すべきです。それは結果としてお店全体が強く、健康で、持続可能な成長を達成できるでしょう。
なお・・・。
インターナルマーケティングは何も企業だけが取り入れるモノではないです。自身が所属する、もしくは関わるすべての組織やグループで「インターナルマーケティング」の精神を取り入れることができます。一体感を生む活動を提案したり、皆の意見を尊重したりすることで周囲の環境も、より良いものになるはずです。
「インターナルマーケティング」は単なるビジネスの手法ではなく、一人一人が関わる場所をより良いものにするための哲学です。
皆さんも是非、この哲学を生活に取り入れてみてください!
(了)