毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
8月2週目はお盆直前ということでやはり入替ラッシュでした。しかし相変わらず導入機種は小粒なものばかりでイマイチ「盛り上がり」に欠けていたと感じます。これからは本当に入替に「期待」はできません。低下傾向にある状況を入替で盛り返すというこれまでの手法から脱却して、地道な取り組みを繰り返していく方向性に切り替えるべき時です。
「入替で稼働(売上)を上げる」、今はこの手法自体に期待ができないということは上段で述べました。そうなると「遊技機の使い方」という手法で変化を出せないか?となります。そしてこれこそが「地道な取り組み」といえます。
ただ、多くの方が思っている通り遊技機の使い方を変えてもすぐには効果が出ません。しかし、だからこそ変えるべきなのです。「急激な変化は外部要因の影響、緩やかな変化は内部要因の影響」であり内部要因に起因する影響・結果は「気づいた時にはもう手遅れ」になっている場合がほとんどです。
遊技機の使い方はまさに内部要因なので(良くも悪くも)緩やかに効果が出るものであり、いま、低迷しているのは長期間にわたった「良くない使い方」の結果といえます。
このように遊技機の使い方を変えるというのは長いスパンでしか効果が出ないので、なかなか取り組めないかもしれません。しかしその中でも比較的すぐに効果が見込める手法もあります。
これからは「同じ」がキーワード
基本的にどのお店も赤字になるわけにはいきませんから毎月決まった利益目標があります。しかし現状どのお店も、特に業績の厳しいお店などは平日は稼働がなく取り切れないことも多々あることから、土日はがっちりと利益を取る営業をします。
それでも土日に噴くことだってあり、そうなると平日も利益を取る営業を継続することになり土日はさらにしっかりと落として・・・。往々にしてこうした悪循環の一途をたどってしまっています。
しかし考えてみてください。土日に稼働が伸びるのは平日とは違うお客様が来ているから、でしょうか。
ここで下の図1を見ください。これは平日と休日の時間帯ごとのお客様の層を単純化したものです。つまり平日も土日も同じお客様が来店しているのですが、
・平日は客層が時間帯で分かれているから、客数が土日よりも少なく見える。
・平日は毎日来店されるわけではない方もいるので(主に会社員)、土日よりも少なくなる。
ということなのです。こうなると「土日にしっかりと利益を取る」という営業スタイルは、平日の特に夕方以降の客層の減少を招くことにつながっていきます。
今回のテーマである「遊技機の使い方について変えて欲しいこと」とは、「毎日同じを志向していくように転換すること」です。
毎日同じというのは、
・毎日同じ「利益率」 → 土日は稼働上昇の分、利益額増
・毎日同じ「玉粗利」 → 土日は稼働上昇の分、利益額増
・毎日同じ「利益額」 → 土日は稼働上昇の分、出玉増
・毎日同じ「台粗利」 → 土日は稼働上昇の分、出玉増
などが考えられます。
近年は交換率の上昇もあり平日と土日に遊技機の使い方で差をつけること自体が難しいこともあり、この「毎日同じ〇〇」というのが多くなっています。そして私の支援先においても平日と土日に差をつけるよりも毎日同じとしているお店のほうが、業績が良い傾向にあります。
「平日出して土日に回収」、これは過去の定石です。過去には土日に溢れるほどの来店数だったことから「空き台を作る」意味もあって利益を取っていましたが、現在は違います。土日だって満台になるようなお店はほとんどありません。
平日も土日も差をつけない遊技機の使い方とすることでお客様に安心感とお店に対する信頼感が生まれます。そして少しずつ業績も回復していきます。これからの時代、キーワードは「毎日同じ~」ですよ!