私の趣味(というか、好きなこと)となっているランニング。日々健康のため&体系維持のために走っています。そこで気になっていたのがシューズのすり減る部分のおかしなことでした。具体的には両かかとの外側だけドンドンすり減っていくのです。おそらくこれは走り方、もっと言えば歩き方のクセ?とにかくよくないのだろうと思っていました。
そんなある日、知り合いに「歩き方ヘンだよ!」と指摘されたのがキッカケでウォーキング改善の一日体験に参加してきました。体験の内容は、「自分の歩き方をチェックし、改善する」というもの。何の心配もなく参加したその日、私は大きな衝撃を受けることになるのです。
コーチによると私の歩き方には、
・左肩が下がる
・軸がぶれて体が揺れる
・猫背
など、改善が必要な箇所がたくさんあり、それを動画で確認して修正指導を受けました。
自分の歩き方は「ちょっと良くないかな?」程度には思っていましたが、まさかそんなにオカシイとは・・・。指摘された箇所を一つひとつ修正していくことはなかなかに困難な作業でした。
変えるというのは、かくも困難なこと
考えてみれば、ヒトは生まれたとき(正確には1歳ごろ?)から歩き始め、その歩き方を何十年もの間、無意識のうちに繰り返しています。その深く刻まれた動作パターンを変えようとすると、体はなかなかそれに応えてくれないでしょう。
この経験は「業務改善」という、ビジネスの世界での課題に通じるものがあると感じました。
私たちが仕事をする際、特に長年続けてきた業務においては、何も考えずに手が動くことがよくあります。それは手に職を持つ職人が技を繰り出すように、何の疑問もなく、流れるように動作が進んでいきます。これは業務の効率化に貢献している面もあるのですが、一方で、新たな方法やアイデアに対する障壁となってしまうことも多々あると思います。
たとえば新たな改善策が提案されたとき、それが「こうすればもっと効率的になる」と明らかであったとしても、多くの人はなかなかその新しい方法に移行することが難しいものです。
それは新しい方法を試すこと自体がリスクを伴うからであり、また自分が長年繰り返してきた方法からの変更は、私が歩き方を変えようとしたのと同じくらい難しいからですよね。
しかし、これからも続くであろう社会の激変、情報技術の進化、世の中の流れでは、新しい歩き方を学び、それを実践することが求められています。それは新しい価値観の形成、新たな視点からの問題解決、そして時代の変化に対応した業績向上につながるからです。いわゆる「イノベーション」です。
新しい歩き方を学ぶことは新たな業務改善を進めることにも似ていると感じました。
それは簡単なことではないとも思います。しかしその一方で、新しい歩き方を学ぶことで新たな風景、新たな可能性、新たな未来を見つけることができるはずです。そしてその過程で得られる知識や経験は、絶対に自分自身の成長にも繋がります。
こう考えると、「歩き方を変える」ことの難しさは、その後に待っている新しい風景や可能性のための必要なステップと捉えられるのではないか、と感じました。その難しさを乗り越えた先には、新たな挑戦があり、それが自分自身の成長に繋がるということです。
また自分自身だけでなく「組織の成長」を考えても同じだと思います。組織全体の「歩き方」を改善することはそのまま業績の向上に直結しますから。そのためには、自分自身が新しい歩き方を学ぶことから始め、それを組織全体に広めることも必要、それが新たな業務改善を推進することにつながります。
一事が万事、根っこは同じ
私のウォーキング改善の一日体験は、自分自身の歩き方を改善するだけでなく、その経験を通じて業務改善についての新たな視点を得ることができました。
「歩き方を変える」という一見簡単そうなタスクがいかに困難であるか。
しかし、その困難さを乗り越えたときの達成感、そしてその結果として得られる新たな風景や視点。これらはすべて私たちが直面する業務改善の課題と同じだと感じています。
結局のところ、「歩き方を変える」ことと「業務を改善する」ことは、同じように困難な挑戦であり、その過程で得られる学びや経験が自分自身の成長、そして組織の発展に繋がる重要なステップであると言えるでしょう。