私たちは日々多くの仕事を抱え、それぞれの業務を遂行しています。8月は特に年間でも「繁忙月」と捉えることができる月であり、この時期はそれなりの数字が見込めますが、この先には年間で最も落ち込む「秋」がやってきます。
結局のところ「仕事」というものは先を見据えた行動をしていくものです。今が8月ならば既に8月の行動予定は決まっており、今現在はその決まったことをこなしていくことになっているでしょう。
ということは、実際の行動は8月のスケジュールをこなしつつ、考えるべきは「それ以降」のはずです。
この秋を迎えるにあたりそのときに何をすべきか、そしてどのように準備すべきか、それが今考えるべきことで大きな課題です。
しかし、日々のルーティンワークに追われるとなかなかそういった時間を取ることが難しいかもしれません。そんなときこそ、一度立ち止まって考えてみてください。「本当にしなくてはいけないことは、何なのか。」ということを見極めることが重要なのです。
悪貨は良貨を駆逐する
「グレシャムの法則」という経済学の法則があります。
一般的には「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉で知られており、「額面価値に見合わない金の含有量の少ない金貨が流通し出すと、良質な金貨がどんどん少なくなっていく」という法則です。(金の含有量が少なくても額面が同じならば鋳造する側はよりコストを下げた質の低いものでOKと考えてしまい、また良質なものは懐に置いておくので流通しなくなる)
この法則は物理的な金貨だけでなく私たちの日常の業務にも当てはまります。アメリカの経済学者であるハーバート・サイモンは「計画におけるグレシャムの法則」を提唱しました。
サイモンは「目の前に大量のルーティンワークがあるとその処理に追われることになってしまい、創造的な仕事を後回しにしてしまう傾向」を指し示しました。この現象は特に人手不足が慢性的な業務現場で起こりやすいとされ、まさにパチンコ店の現場が当てはまると思います。
有名な自己啓発書の著者であるスティーブン・コヴィーはその著書「7つの習慣」の中で、「緊急なことではなく、重要なことを優先しなければならない(第3の習慣)」と言っています。この言葉は「計画におけるグレシャムの法則」が生じる状況を避けるための、具体的な行動指針として提唱されていると思います。
「本当に必要なこと、しなければならないことを優先する」
これは、一見簡単そうに思えますが、実はほとんどの人が出来ていないことです。なぜなら多くの場合、ヒトは目の前のタスクに追われてしまい、本当に重要なことを見失ってしまうからです。
そこで改めて意識を高めて実践すべきなのはこの状況を変えることです。そのためには日々の小さな行動を変えることから始める必要があるでしょう。
毎日の仕事を見直し、「本当に重要なことを優先する習慣を身につける」こと、これこそがこれから落ち込みが予測される「秋の業績」を左右するカギになると思います。
8月は実務面(実際の営業現場)で忙しい月かもしれませんが、それだけにこの時期に優先順位を見直す時間を持つことで、その後の業績に大きな影響を及ぼすことができます。「本当に必要なこと、しなければならないこと」を見極め、適切な計画を立てて行動に移す。これが真の成功への道筋と言えます。
まとめ
まとめると、「計画におけるグレシャムの法則」を理解しこれを避けるためには、私たちが本当に必要なこと、そして本当にしなければならないことを優先する必要があります。
そして、そのためには日々の行動を見直し、優先順位を再設定することが必要です。
だれもが皆忙しい日々を送っていますが、ここで立ち止まり、真に重要なことに目を向けることで、目の前の難局を乗り越えることができるのです。