毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
あけましておめでとうございます。
弊社は2012年創業なので12年目、干支も一周しました。今後もよろしくお願いいたします。
昨年(2023年)は4月のL北斗の拳からスロット部門が好調でした。その反面パチンコ部門は何をしても上向かない厳しい一年だったと思います。
それでも営業(経営)には利益が絶対に必要であり、稼働が低下するなかでも利益の確保を進めなければいけない苦しい状況でした。
ただそうはいっても非常に厳しい稼働を強いられている現状、どうしても利益率を上げることは一層の稼働低下の可能性があり、なかなか利益率を上げることをためらってしまうと思います。
そして考え付く先は「台粗利=アウト×玉粗利」なので、「玉利の前にまずは稼働を上げよう」と考えます。
もちろんこの考え方はとても大事で基本だといえます。ただしそのための手法を間違えてはいけません。
稼働を上げるために何をするか。まずは「お客様の求めることを提供する必要がある」と考えます。
そしてお客様の考えを取り入れるために顧客アンケートを実施するお店もあるでしょう。
この「顧客アンケート」、実はあまり意味がありません。なぜなら今自店に来ているお客様は、少なくとも今この時点においては周辺の競合店ではなく自店を選んでくれた方たちです。「今の自店に(100%ではないにしても)満足している人たち」に意見を聞いても改善点は浮かんでこないでしょう。
またそもそも「今自店に来ていない人たち」こそ今の自店を否定している人たちであり、そういった人たちがなぜ来ないのか、の方が重要なはずです。つまり本来意見を聞くべき対象は「他店のお客様」です。
ただ、実際には他店に行っている人たちから意見を聞くことはできません。
ではどうするか、というとこれは逆転の発想が必要です。つまり、「今の自店の営業は大多数の人に否定されているのだから、今の考え方・施策をすべて取りやめて違うことをしよう」と考えるのです。
もちろん今のやり方を捨てることで「今来ていただいているせっかくの(数少ない)お客様まで離れてしまう懸念」もあるでしょう。
しかし今来ていただいている人たちはそもそも少数派です。大多数は自店を否定しているという事実の方が重要です。
今いるお客様の意見を取り入れれば取り入れるほど今の営業が加速されることになり、商圏内では少数派の自店のお客様にとっての居心地のいいお店=大多数の来ていないお客様にとっては居心地がよくないのでどんどん敬遠するお店、ガラパゴス化が進むことになります。
「お店を変えよう、良くしよう」と思うならまず、今の考えややり方を捨てること。そうすることで他店に行っている人たちが振り向くキッカケになります。
入替の方針、台数、機種配置、メンテナンスの手法、販促、色目、音楽、とにかく「変えて」くだださい!