毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
いよいよ年に3回の特別期間、お盆が始まります。
とはいっても営業的に何か変わるものではなく、「出すべき時には出す、取るべき時には取る」のサイクルが重要です。そしていよいよ「年に3回の特別期間」、ここは絶対に「まずは、利益」で未来の原資を確保する営業をしていってほしいと思います。
さて、「利益最優先で」とはいっても売上の低下に苦しむ現状、どうしても粗利益(売上総利益)の上積みは難しいものです。そうなると次にすべきなのは「経費(コスト)の見直しで営業利益を確保する」と考えることです。
経費を削減していけば粗利益(売上総利益)が同じであっても営業利益は増えることになるので、売上に期待ができない現状で「利益確保」を図るには有効な手法となり得ます。
しかし何でも経費の見直し、カットが良いわけではありません。今回は多くのホールでありがちな「経費の見直しに関する間違い」についてお伝えいたします。
パチンコ店の経費では機械代、広告宣伝費、人件費が大きな割合を占めます。このうち機械代については現在の機歴優先販売や、魅力的な商品構成を維持するためにも削減が容易ではありません。また人件費についても適正なサービス水準を維持するためにも削減は適当とは言えない部分です。こういった思考から往々にして、コントロール可能費用である広告宣伝費(販売促進費も含む)の削減が主となっています。
しかしこれが間違いです。厳しいからこそ、アピールできる点が少ないからこそ、アピール力が低いからこそ、広告宣伝に力を入れなければならないのです。
「経費」は2つに分けることができます。
一つは利益を生まないコスト、これを「ロスコスト」と言います。逆に売上につながるコストというものもあり、これを「プロフィットコスト」と言います。ロスコストの代表的なものは「ムダ」です。無駄なコピー、電気の消し忘れ、過剰な交際費などがこれにあたり、これらのカットは利益増に貢献します。
一方、プロフィットコストの代表的なものが広告宣伝費です。そもそもお客様に来ていただかなくては、利益は(売上も)生み出せません。お客様に来ていただくために自店の存在を知らしめる手段を削減していては、いつまでたっても現状を変えられないです。
「過去に高業績だったのだが現在は厳しい営業となっている」多くのホールに共通しているのは、「自店は長くこの土地で営業しているので、知らない人はいない」という自負を持っていることです。そしてこのように考えて広告宣伝費をカットして、徐々に地元で存在感を失っていき、結局低稼働ホールになってしまったパターンをいくつも見ています。
「自分のことなんか、だれも知らない」、マーケティングはこう考えることから出発します。そして「誰にも知られていない状況で。どうすれば知ってもらえるか」と考えて行動していくことが必要なのです。
経費の見直しは必要です。しかし売上につながる=お客様の来店につながるコストは絶対にカットしてはいけないです。
いま、広告宣伝に力を入れていないお店は、すぐに戦術の転換をお願いします。広告宣伝にこそ、おカネをかけるべきなのです。