毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
8月はお盆期間こそ好調なお店(地域)が多かった印象ですが、お盆明けでは月末には台風などもあり少々厳しい数字となりました。
しかし9月は3連休が2回ありますし、業績も8月並みになるのではないかと思います。
さて最近、遊技機の規則改正についての話もいろいろ漏れ伝わってきており、だからこそ、と言いますか「新機種をどう使うか、どのような機種が支持を得るか」など発売前の機種についての意見交換が活発になっていると感じます。
しかし私は、特に中小規模ホールについてはこういった「遊技機評価」は全く関係のない、意味のないお話だと思います。中小規模ではそもそも入替に頼った営業戦術はできないからです。「できないこと(=新機種を導入できないこと)を嘆くのではなく、できることは何なのか」を考える方がはるかに建設的です。
ただ「新機種のスペックを吟味して使える機種を考える」という作業、これはすべてのホールであまり意味のないことだと考えています。
集客するためにはお客様に「満足感」を感じてもらう必要があります。確かにその要素の一つとして「遊技機(の構成)」はありますが、これは言ってみれば「横並び」で、他社との違いを創り出す源泉ではありません。
満足感には「情緒的な満足感」と「合理的な満足感」の2つがあります。情緒的な満足感を得ているお客様とはそのお店に対して強い愛着を感じているお客様です。この場合、ちょっとしたことで離反したりせず、お店と長期的な関係を持ってくれます。
それに対して合理的な満足感を得ているお客様は、設置遊技機や設備、出玉などを合理的に判断したうえで満足をしているお客様です。この場合、仮にもっと優れた(と感じられる)代替設備やお店が現れると、合理的な判断に基づいて乗り換えることになります。業績を上げようと考えた場合にどちらを重視した方向性が良いかと言えば、答えは明らかです。
仕事をするうえで「武器(=機種)」の特性を調べることは必要なことだと思いますが、それが第一義ではないです。一番考えるべきことは「どうすれば業績が上がるか」であり、そのためには「お客様との関係性を上げること」の方が必要なことだと思います。これから仕入れる武器のことはその後です。
遊技機は差別化の源泉にはなり得ません。お客様の「情緒的な満足感」を高揚するためのことを考えてほしいと思います。業績を上げる元はやはり、「モノではなく、コト」です。