毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
10月は一年の中でも売上の期待しづらい月のひとつですが(季節指数が低い)、ここまで今年の10月の売上は思っていたよりも良いお店が多いと感じます。
しかし、この「売上がよい」という機会をうまく生かせているお店と生かせていないお店があるのもまた事実です。
もちろん「機会を生かした」というのは「利益の確保」がうまくいっているお店のことであり、今回はうまく生かせていない=利益の確保がうまくいっていない店が、なぜそうなってしまったのかについて考えてみたいと思います。
まず「利益の確保ができない場合」の要因を考えてみると、
① 客数、稼働が計画よりも下回っており、売上が足りない
② 遊技機を思うようにコントロールできていない(暴れた)
の2つの要因が出てきます。このうち①は外部要因、②は内部要因です。外部要因はコントロールすることが難しいこと、及び今回の10月に関しては売上がまずまずだったことを考えれば、「今回の要因」としては除外されます。すると今回の要因は②の「遊技機コントロール」にあったことがわかります。
結局「噴いてしまった」ことが要因となるのですが、多くの場合はその捉え方と対処法を間違っています。
① 「パチンコとスロットは違う」という固定観念
② 「抑えるためにはどうすればいいか?」という思考
実は上記①と②は密接にリンクしており、これら2つの考えを排除することで対処法が見えてくるのです。要は、「パチンコもスロットも原因は同じであり、それは“噴いたこと”が問題なのではなく、それら以外の台に稼働がないことが問題」」だということなのです。
現状の遊技機は「一撃の出方」が高い遊技機が多く、そのためどれだけ抑えようとしても遊技客の“ヒキ”次第という状況です。つまり「どれが出るかはわからない、抑えようとしてもその通りにならない」です。
ここで無理に抑えようとする行動(パチンコなら回転数を下げる、スロットなら設定を下げる)をすればするほど遊技客の離反を招き、結局「出た台だけに稼働があり、出た台もある程度出ると継続遊技する気持ちが持てないので止めてしまう」という悪循環に陥ります。
この悪循環を断ち切るにはどうするか、というと、「全体のメンテナンスでベースアップをすることで出そうな気持ちを持ってもらう」となります。
もちろん大きくアケて営業するという意味ではないです。「過剰なシメ営業が悪循環の元であり、自店の求める利益率や割数に合致した適正な回転数なり設定を使用する」ということです。
例え平均稼働が低くてもある程度バラついた稼働になっていると営業結果は安定します。逆にそれなりに高い平均稼働のお店でも極端な稼働格差があるお店の営業結果が安定しません。
この先は年間で最も季節指数の低い時期に突入します。そうなるとなおさら今よりも稼働の格差が出てしまい突出した台だけの稼働となって思うような営業ができなくなる恐れがあります。
同じ失敗を繰り返さないためにも、「利益がうまく取れない」と悩んでいるお店は、一度「どうしても抑えなければ」という発想から離れて「今と同じ稼働でいいからまんべんなく座ってもらうにはどうすればいいか」を考えてほしいと思います。