毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
いよいよ明後日から11月、ここからは例年かなり稼働が落ち込む時期に入ります。外部環境要因は等しくすべてに係ることなのでここで焦っても状況は変わるものではないですから、今すべきことは、次の機会に向けてしっかりと施策や戦術、戦略を考えることです。
今回は「次の機会」のために考えて欲しいことについてお伝えします。
冒頭でお伝えしたようなまさに今厳しい稼働に直面しているお店は多く、そうなると考えることは、「既存客の維持だけでは先がない、新規顧客を増やさないと。」だと思います。ここで自店にとって確保したい「新規顧客」はどういった「顧客層」なのか、このことを考えたことはあるでしょうか。ターゲットについてのこの第一歩の捉え方を間違うと、せっかく取り組んだ施策でも効果が得られなくなることがあります。
「新規顧客」とは当然のごとく、自店にこれまで来たことがない顧客を指します。そしてこの「新規顧客」には、
①「既存の顧客層」における新規顧客
②「新たな顧客層」における新規顧客
の2種類があります。
これらはもちろん違ったアプローチをしなくてはいけないです。なぜなら顧客層が違えば、その求めるニーズは異なってくるからです。
「①既存顧客層の、新規顧客」に対しては今までと同じことをしつつ、その「売り方」=告知方法や顧客への接点、リーチ方法を考えることになります。この場合、基本的に現在行っていることの変更は不要となります。今と同じことを志向する人をもっと呼び込む、と考えるのです。
一方「②新たな客層の、新規顧客」に対しては明確に現在の自店の施策では対応できないニーズを持つ顧客層となります。この場合にはニーズに合致するようなことを新たに用意する必要があり、「これまでとは違うこと」を展開していくことになります。
さて中小ホールとしては上記①②のどちらを志向すべきかというと、これは①を狙うべきだと言えます。
マーケティングのセオリーとして新規顧客の獲得よりも既存顧客維持の方が効率がいいという「1:5の法則」というものがあり、また、弱者は資本力に劣るので新しいことをするには厳しいこともあるので、総じて重視すべきは既存顧客です。
これまで「新規だ、新規が必要だ」と考えて新規顧客ばかりを追いかけていたとしたら、それで結果が得られたかというとそうとは言えないと思います。実は既存顧客層の中にも「新規顧客」はいるという視点を持つことで、新しい「できること、すべきこと」が見えてくると思います。
「既存顧客“層”重視」は決して新規顧客を捨てている戦略ではなく、前向きな「新規顧客獲得」戦略です。