毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
2月も最終週です。3月決算のお店(会社)では2024年度もあと1か月ちょっとしかありませんね。今期の残り営業とともに来年の営業についても考え始める時期だと思います。
2025年はこれまでにも増して戦術の柱としてきた新台入替の効果が薄くなることが予想されます。
これは、これまで「こうすれば大丈夫」と考えてきたことが通用しなくなるということであり、根本的に考え方を変えないといけないことを意味しています。つまり遊技機ではない別の柱が必要になるのです。
「差別化」という言葉があります。競合他社と比較してさまざまな点で差異を設けることで競争上の優位を得ようとする戦略です。これを入替戦術上において違いを出すことで競争優位が作れたのが、これまででした。回数を増やす、機種数を増やす、台数を増やす、そして最速で導入する、などです。
この入替を軸とした手法を一言で表すとしたら「モノによる差別化」といえます。モノによる差別化は即効性があり、短期的な業績向上にはとても寄与する手法です。しかしヒトの欲求はどんどん高まるものであり、一度経験したレベルを下げることは難しいものです(これを経済学では「ラチェット効果」といいます)。最終的にはモノでの差異は際立たなくなりどれも魅力がなくなってしまいます(これを「コモディティ化」といいます)。
だからこそ冒頭で述べた「別の柱」が必要になります。別の柱とは即ち「コトによる差別化」です。楽しそう、ワクワクしそう、雰囲気が良いなどの感覚的なことで他社との差別化を図るのです。
もちろん今までも行ってきたかもしれませんが、位置づけは「遊技機、入替をもっと盛り上げるため」のものであり副次的なものでした。これを今後は主力と位置付けていくのです。
最近は季節感を演出するお店も少なくなっていました。また自主規制などもあって販促に対する意識も薄くなっていたと思います。もちろん昨今の遊技機環境から店舗管理者の意識が遊技機の方を強く考えていたことも影響しているでしょう。
だからこそ、今一度「遊び、楽しみ」ということの演出を考えていくことが今後の営業には必要だと思います。これら「コト」の強化はすぐに結果に表れにくいものですが、必ずお店の足腰を強くし離反しにくい顧客をつかむことにつながります。
これから始めても結果はかなり先にしか得られませんが、始めなければ結果は絶対に得られません。2025年は、入替よりも演出に力を入れていってほしいと思います。