競合も自店も、していることは”同じ”
現状に問題があると認識した時はなにかの手を打つはずです。パチンコ店としては、
・入替をする
・イベントをする(今は時代的に難しい面もありますが)
・調整を変える(アケる)
などが考えられます。むしろ上記以外の手が思いつかないくらいありふれた施策です。そして面白いことに業績の良い、悪いに関係なくどの店舗も“同じこと”をしています。商圏内の競合も、あの強い有名店も皆同じ施策をしているのです。
ただし得られる結果は大きく違います。確かにこの差の要素の一つとして「資金力」はあると思いますが、それ以外にも大きな差があるから、得られる結果が違ってしまうのです。
ではカネ(資金力)以外で何が違うのでしょうか。それは「その施策を打つ理由を考えているか、期待する効果を考えているか、目指す未来の流れに沿っているか」という違いです。
ひと言で言えば「しっかりと考えているのか」ということです。例として次ページで2つのケースを例に入替についての違いを確認してみましょう。
■ 考えたお店と、考えなかったお店
●A店の場合
・導入機種・・・自店の主要客層が好むタイプを選ぼう
→ ターゲットを考える
・導入時期・・・強い週にさらに伸ばすためにこの週にしよう
→ 機会を考える
・配置・・・似た機種をまとめた構成にしよう
→ お客様のわかりやすさを考える
●B店の場合
・導入機種・・・最新機種で話題機種を選ぼう
→ 自店の強み弱みを考慮しない
・導入時期・・・何が何でも最短納期にしよう
→ メーカー都合の販売時期で自社の都合ではない
・配置・・・作業で遅くなりたくないので同じ場所にしよう
→ 組み合わせの相乗効果を考慮しない
A店ではまずはお客様のことを考えてそれに合致する入替をしようとしています。
いっぽうB店ではこちらのスケジュールや都合を優先しています。どちらの方がより支持されるかというのは一目瞭然です。
■ 競合との違いは”戦略があったか、なかったか”
上記のA店の入替には以下の3つの考えがありました。
①顧客動向を分析して反応の高い施策をしよう
②強い週をより強くして他社を引き離そう
③客動線を意識して興味を持たせよう
入替という一つの施策だけでも、「まずよく考えてから」を意識するだけで大きな差が生まれます。
ここでいう「考えること」が一般的に言われている「戦略を立てる」というものです。そして①~③は次のような“戦略”だったといえます。
①「STP戦略」からの、ターゲット選別
②「SWOT分析」からの、強みと機会の活用
③「棚割り戦略」からの、配置による相乗効果の活用
※「STP」→ セグメント、ターゲット、ポジショニングのこと
※「SWOT」→ 強み、弱み、機会、脅威のこと
※「棚割」→ 商品の配置のこと
このように何か施策を打つ前には必ず「理論的な裏付け=戦略」を考えることで、その施策の結果・効果はこれまで以上に高くなります。
■ 効率的に結果を得るには、戦略ベースで
また、この「戦略と戦術(施策)の関係」はドライブでの目的地への行き方で例えられます。ドライブで目的地に行くには次のような方法があります。
①目的地の場所はわからないけど、まずは動く。
②目的地を地図で確認して、ルートを決めてから出発する。
③目的地をナビにセットして、ルートを複数確認した中で最も合理的なルートを選んでから出発する。
上記で①は行き方を考えずに実行、②は動く前に考えてはいますが地図を広げて自分の考えだけで決定しています。
これに対して③は地図(自分の考え)だけでなく客観的な情報と案内(戦略)を効果的に活用しています。
「どれが一番効率的に目的地に到達できるか?」と言えばそれはもちろん③となるでしょう。目的地=目指すべきゴールに向かう場合は、やみくもに動く前にまずは行き方を考える作業はとても重要なのです。
業績が厳しい店舗の一番大きな間違いは、「やみくもに動いてばかり」というものです。
「欲しい結果を得られる効率的、効果的な方法はなんなのか?」ということを先に考えてから行動することで、得られる効果はこれまでよりも大きなものとなります。
<了>
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