先週よりこの夏話題の機種「 P牙狼 -冴島鋼牙-」の設置がスタートしました。
当初は「甘いのではないか?」といった意見もありましたが、稼働しての結果は「辛い」というものが多いです。
そんな中、
・シミュレーションの数値はどうなるのか?
といった問い合わせもありましたので、改めて「V確STスペックのシミュレーションの考え方」を解説したいと思います。
※今回は計数管理の考え方の記事なので、シミュレーション結果とシートの確認のみの場合、最下部(P牙狼のシミュレーション)まで飛ばして読んでいただければと思います。
<条件>
V確突入33.2%(TS319.6、非確変の時短100回まで)
確変突入後の継続100%(TSA99.7、ST160回まで)
■ P牙狼 確変突入時の継続回数の計算
計算の考え方は回数切り確変と同じです。つまり、
・すべての可能性の合計(=100%)から、一回も当たらない可能性を除いて計算する
と考えます。
まずは確変継続率を求めます。
「確変時1/99.7で当たる」という事は逆に考えると「98.7/99.7は外れる」のですから、この外れることが160回連続で起こった場合を全体から差し引きます。
1-(98.7/99.7)^160=0.800695…(約80%)
確変継続回数の計算は「1÷(1-確変継続率)」なので、
1/(1-0.800695…)=5.017425…回
∴ 確変に突入すれば、約5.02回の継続回数の期待値がある
■ 初回非確変での継続回数の計算
初回で非確変の場合、
・時短中で引き戻し
・単発終了
が考えられるので、これらの出現比率を求めて継続期待回数を求めます。
① 時短中の引き戻しでの期待継続回数と出現率
「時短時1/319.6で当たる」という事は逆に考えると「318.6/319.6は外れる」のですから、この外れることが100回連続で起こった場合を全体から差し引きます。
1-(318.6/319.6)^100=0.269029…(約27%)
「引き戻す」ということは初当たりの単発大当たりの後で確変に入るので、確変突入での継続回数に+1回の大当たりがあります。
→単発大当たりをしてから、そのあとで確変期待回数約5.02回が始まる。
このため、単発大当たりでの引き戻しでは6.02回の期待継続回数となり、この出現率は時短引き戻し率の「0.269029…(約27%)」です。
② 単発終了での期待継続回数と出現率
もちろん「1回」です。そしてこの出現率は全体から引き戻した場合を差し引けばよいので、
出現率=1-0.269029…≒0.730971…(約73%)
となります。
以上から初回単発での継続回数の期待値は、
{(1+5.02)×0.27}+(1×0.73)=2.35554回
となります。
■ 合算での平均継続回数の計算
上記(1)と(2)を出現割合で計算します。
5.02回×33.2%+2.36回×66.8%=3.235回
となります。(細かい数字は丸めて計算しているので若干の誤差があります。)
■ P牙狼のシミュレーション
条件はサン電子㈱様提供のTRYSEMデータを基にしてみました。
※TRYSEM-多種多様なデータを提供-※
台数別やスペック別、平日・土日祝日比較、損益分岐別など、多種多様な統計データの帳票を提供します。その他にも、弊社アナリストによる独自の分析情報や不定期のオンラインセミナーも掲載。(TRYSEMウェブサイトより)
このTRYSEMでの全国平均データより、S4.80、BY11.33、BA90.9%、T1Y1,380、客滞率129.5%で計算しました。
結果、割数は9.22割。
28個交換(11.2割分岐)なら17.7%の利益率となりました。
決して「甘い」わけではないです。
■ 導入前のシミュレーションは必須
導入する前にこういったシミュレーションを行っていれば、必要以上に暴発を警戒したメンテナンスでのOPにはならなかったと思います。
また、これから導入する店舗ではこのシミュレーションを参考にしていただければと思います。
下記エクセルシートは数値を変更することでV確ST機種(CR北斗無双など)のシミュレーションができます。計算式も見られるようにしていますので、シミュレーションの組み方の確認をしていただければと思います。
P牙狼-冴島鋼牙-のシミュレーションシート(エクセルファイル)
今回は細かい計算を文字に起こした記事なので分かりにくい点が多々あるかと思います。
疑問点などありましたら、お問い合わせページからお気軽にご相談をしていただければと思います。
計数管理をしっかりとマスターして、稼働と利益の両立を図りましょう。