2019年11月中旬、中国湖北省武漢市で最初に発生し、瞬く間に世界中に感染が報告される事態となった新型コロナウイルス。
その感染力や致死率は一連の報道で把握している通りとして、ここではパチンコ業界への影響と今後について考えてみたいと思う。
新型コロナウイルスの怖いところはまだそのワクチンがないことで対処療法しかできないことだ。
り患してしまうと抑え込むことが出来ないので感染した者は周囲に伝染させることのないように隔離され、またその感染者の立ち寄った場所は消毒のために休業を余儀なくされる。
「濃厚接触」、その言葉からはかなりの至近距離での接触のように感じられるが、実際の定義はマスクなどをしないで感染者のすぐそばで会話したことがある人のことを指すので、ごく普通の生活から感染者は増えていくことだろう。
https://www.nhk.or.jp/politics/kotoba/29841.html
公式な発表では日本における新型コロナウイルスの感染者は284例となっている。
※257例の患者+27例の無症状病原体保有者(3/4現在)
※厚生労働省ウエブサイトhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09964.htmlより
しかし実態はこの数字以上だと思われる。そしてそれが一般の感覚だろう。報道される新たな感染者とその行動の報道を見れば至極当然にその結論になる。
問題は、その「潜在的な感染者、無自覚の感染者」が立ち寄った場所で新たな感染者を増やしてしまう可能性だ。そしてパチンコ店は不特定多数の人が行きかう場所である。
さっそく「知識人」たちからパチンコ店がやり玉に挙がっている。
池田信夫氏「休業させるなら学校よりパチンコ屋」
http://agora-web.jp/archives/2044632.html
http://agora-web.jp/archives/2044632.html
このような論調は今後も増えると思われる。もちろんパチンコだけでなく「不要不急」とされてしまう娯楽産業一般もだが。
パチンコ業界は過去から現在まで、殊更に「健全営業」を掲げる。業界の成り立ちやその背景、また法的にあやふやな部分を残す営業をしているため、そのイメージの払しょくをするためである。
これまでも何かあるたびに率先して「なにもございませんよ」的、平身低頭で世間を刺激しないよう、業界の姿勢を見せてきた。
今回もさっそく、ホール業界の団体トップから「広告宣伝の自粛要請」が下りてきた。
「新型コロナウイルス感染症対策に伴うホールの広告宣伝の配慮について」
新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、感染拡大防止に向けた様々な対策がとられており、政府から不特定多数の人が参加するイベント・集会等の中止や不要不急の外出を控えることなどについて要請がなされているところです。
このような情勢をご理解のうえ、参加組合員ホールに対し、感染症の問題が沈静化するまでの間、各種媒体を用いた新台入替等の集客を目的とした広告宣伝については自粛を含めた適切な対応をされますようお願い申し上げます。
いうまでもなくホール営業は慈善事業でも何でもなく、営利を目的とした企業である。
売上が立たないと企業の存続は図れなく、そのための集客、広告宣伝は私企業として至極まっとうな営業行為のはずである。
ところがその「集客を目的とした行為」はしてはいけない、となった。売上を上げねばならないのに、そのための行動はしてはいけないというのである。
小中高校の休校措置による主婦層の減少、また閉鎖空間への密集を避ける心理による高齢者の減少で、特に平日の稼働減少が顕著になっている。
そのような状況で集客をしてはならないというのは非常に厳しい措置だ。
過去の業界バッシングのときには「健全化」をアピールしてきた。
しかし今回は心理的にホールに対する環境の不安が根底にある。今すべきは「安心、安全」のアピールではないだろうか。
お客さまへのマスクの配布、スタッフのマスク姿、空き台の消毒清掃、換気の徹底。
それらを「目に見える形で」客にアピールも必要だ。
できることできないことはあるかもしれないが、「姿勢」を目に見える形で表すことが必要だと考える。
最後に安達夕氏による記事「新型コロナの自粛ムードの中、批判集まるパチンコ店。消毒などの対応や自主休業を決めた店も」にあった一文を記載させていただく。
「不要不急な場所に人々が足を運んでこそ、社会は平穏で安定しているのだろう。」
新型コロナの自粛ムードの中、批判集まるパチンコ店。消毒などの対応や自主休業を決めた店も(文:安達夕)
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