■ 平均値 は真ん中ではない?
パチンコの高ベース機が市場に登場して1年あまり。設置機種の大半が高ベース機となりました。そして営業的には高ベースでもスタートを下げたくないので、結果的にTYを減らすことになります。
すこし計数管理のお話になりますが、「出方、割数」はTSとS、及びBとTYに客滞率を加えた計算で導き出せます。
ここで例えば旧要件機種(賞球3個)のときには、TSとTYには次のような関係性がありました。
「TS100、TY1,500」=「TS200、TY3,000」=「TS300、TY4,500」=「TS400、TY6,000」
これらは同じスタート、ベース、客滞率ならおおよそ同じ割数になります。
あとは機種のスペックが上記関係性の基準とどれだけ違うか、で甘い(回せない)or辛い(回せる)などの違いがありました。
さて新要件になっても上記のような「TSとTYには関係性がある」ことに変化はないですが、高ベースとなったことで数字が若干変化しています。具体的には、
「TS100、TY1,300」=「TS200、TY2,700」=「TS300、TY4,000」
くらいです。
(「~くらい」というのはベース値によって少々左右される面もあるからです。)
ところでこの「TY」、用語の意味は「平均獲得玉」です。例えばCR沖海4ならばTYは約4,300個と計算できます。
しかし私は、この「平均値」にはとても違和感を覚えます。パチンコで大当たりをすれば平均的にはこの玉数を得られるとしてもそれが毎回の期待値なのかというと、体感的にはもっと低いのではないか、と思うのです。特に入口が狭くてツボにはまれば大量獲得となるスペックにおいてです。
例えばCR北斗の拳7転生において、平均T1Yと平均継続回数から計算されるTYは約4,400個ですが、実際には多数の出ない台と一部の突出して出る台の平均が4,400個となっています。
また平均継続回数で考えてもCR北斗の拳7転生は3.53回ですが、体感的にはもっと低いと思います。
ここで以下のような継続回数があったとします。
1 3 1 2 8 1 12 2 2 6 1
この時の平均値は、
1+3+1+2+8+1+12+2+2+6+1=39÷11≒3.55
となりますが、3.55連チャン以上は初当たり11回中3回しかありません。
ここで平均値とは別の指標として、
・中央値(順番に並べた真ん中の数字)
・最頻値(事象の中で最も多く出現している数字)
というものがあります。この見方をすると上記連チャン回数は、
・中央値 → 2.0回(11回を少ない順に並べた、6個め)
・最頻値 → 1.0回(11回中、4回出現)
となります。
平均値を機種スペックと考えると、お店とお客様で機種に対する見方が乖離してしまうことを現しているのではないでしょうか。
私は過去のコラムでも記載したように、入口の狭いタイプには懐疑的です。
高ベース機、TS下限の引き上げ、TYの低下とスペックが変化したのに、過去の爆発力を求めるからおかしくなると思います。
今の基準の射幸性にあった機種、それは海物語のようにマイルドな出方をする機種であり、そういった機種の方が稼働は安定して得られると思います。
今の基準内で無理をして作り出されたスペックは短命で終わると思います。
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