悪貨は良貨を駆逐する~ グレシャムの法則 ~
例えばここに金の含有量が高い金貨と低い金貨があるとします。この両者、通貨としての価値は同じなのですが「貴金属としての価値」は異なります。
こうなると人は、日々の生活での購買においては貴金属としての価値の低い、金の含有量の低い金貨で支払おうと考えるでしょう。その結果、貴金属としての価値の低い貨幣(=悪貨)ばかりが市場に流通し、貴金属的価値の高い貨幣(=良貨)は全く出回らなくなるのです。
これを「グレシャムの法則」といいます。
経済学の法則のひとつで一般的には「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉で知られており、冒頭のお話のように「額面価値に見合わない金の含有量の少ない金貨が流通し出すと、良質な金貨がどんどん少なくなっていく」という法則です。
さて、このことから転じて、アメリカの経済学者であるハーバート・サイモン博士は「計画におけるグレシャムの法則」という説を提唱しました。
サイモン博士は長期的展望に立った、ビジョンや目標に向かう計画を良貨、日々組織がしなければいけない現実の作業、ルーティンワークの計画を悪化と定義しました。
組織が成長するためには当然、長期的な展望に立った行動計画及び遂行が求められます。しかし現実には日々の作業に目が奪われ、ともすれば長期的展望など頭の片隅に追いやられてしまうことも多いものです。まさにこれを「計画におけるグレシャムの法則」というのです。
これは組織にだけ適用されるものではなく、個人の行動にも同じことが起こっています。このような記事を書いている自分自身もこの言葉通りルーティンワークに振り回されているように感じます。
実はこの計画におけるグレシャムの法則、スティーブン・コヴィー氏が著書「7つの習慣」での第3の習慣、「緊急なことではなく、重要なことを優先しなければならない(第3の習慣)」という話で同じことを伝えています。
・ヒトの行動は「重要なことかそうでないか」、「緊急なことかそうでないか」の2軸しかない
・「①重要かつ緊急」、「②重要だけど緊急じゃない」、「③緊急だけど重要じゃない」、「④緊急でもなければ重要でもない」の4象限
・ヒトの行動は「①→③→④→①→③・・・・」とループすることが多い
・このループでは②は飛ばされてしまう
・ヒトは緊急なことを優先するが、本来は重要なことを優先しなければいけない
・しかし、わかっていてもできない
これは上記「計画におけるグレシャムの法則」で言っていることを避けるためにすべき行動を伝えています。
「本当に必要なこと、しなければならないことを優先する」。
簡単なようで実はほとんど出来ていないことなので、気を付けていきたいものです。
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