前回はパチンコ店におけるマーケティングコンセプトの変遷を確認した。そしてその流れは、パチンコ業界は一般よりも20年程度遅れているのである。
ただ、遅れているとはいえパチンコ業界も概ね2010年ごろ~現在は一般の流れに追いつこうとしている。これは、パチンコ業界も「供給側の視点ではいけない」と認識し始めたからだ。
この趨勢は「 プロダクトアウト 」と「マーケットイン」という概念で説明がつく。
・プロダクトアウト・・・供給側が提案する良いものを販売する(良いことをする)
・マーケットイン・・・需要側が要求するものを販売する
の違いである。
さて、今回はこの2つの概念をパチンコ業界の行動になぞらえて確認してみよう。
■ 日替わりイベントの変遷
パチンコ業界で行われているイベント。
以外に歴史(?)は古く1990年代後半に日替わりイベントとして始まった。
当初は稼働の弱い平日のテコ入れで行われていた。メンズデー、レディースデー、会員デーなどである。もちろん稼働の期待できる週末に行われるなどということはない。
要は「稼働の伸びづらい日に、伸ばそう」と考えての施策であり、まさにお店の論理、プロダクトアウト的発想である。
ところが平日にイベントを行っても稼働が伸びなくなり、徐々に「〇の日」や「第〇土曜日」的なイベントが増えてきた。「お客様が来れる日にイベントを行って盛り上げよう」という発想である。これは明確に顧客視点の発想であり、マーケットインと言える。
■ 機種イベントの変遷
イベントを行うのは稼働の落ちてきた機種。お店としてまだ使いたいのでイベント対象機種にして「もっと遊んでもらおう」という発想である。もちろんこれもお店視点、プロダクトアウトと言える。
しかしいくらイベントをしてもそもそも人気がないので稼働が伸びない。そこで考えたのが「お客様が望まない機種でイベントをしてもダメ、人気機種でイベントをしなければ」ということだ。これは小売業的にはよくある施策で、「お客様が望む商品を安く販売するから、売上が上がる」をパチンコ的に応用したものと言える。もちろんこれはマーケットイン的発想だ。
■ 今後のマーケットイン的施策
マーケットインの出発点は顧客である。そしてこれこそマーケティングの出発点である。マーケティングは企業のためではなく顧客のため、すべての施策はここから考える。
一つの例として新台入替という施策について考えてみる。
・来やすい曜日
・来やすい時間
・自店客の好み
「最速導入」というワード。これは顧客視点?それともお店視点?
もう一つの例として機種配置という施策について考えてみる。
・バラバラ配置で分散して座ってもらう
・撤去機種の場所に新台を入れる
・入口近くは?カウンター前は?
お客様の視点で自店の配置は適切か?
上記は一つの例だが、「すべてをお客様として」考えることがマーケットインであり、そこにお店の論理が入る余地はない。
マーケットインが、マーケティングの入り口である。
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