2020年7月9日、パワフルプロ野球の最新作が発売されました。(今作よりこのソフトを使用した公式eスポーツイベント「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」がコナミと日本野球機構によって開催することが発表されているため『eFootball ウイニングイレブン 2020』同様、今作以降はタイトルから『実況』が外れ『eBASEBALL』に変更となった。)
1994年の発売開始から26年、メインシリーズとしては37作目(サブシリーズ等を含めると89作目)という長期的な人気を誇るゲームですが、新作が出るごとに新しい機能や世界観が追加されていきながらも基本的な操作やゲーム性(パワプロと言えばサクセス)は変わることがありません。
新作で新しいチャレンジをして失敗するソフトもある中で、「パワプロが好きな人を大事にする」、このあたりも人気の要因なのだと思います。
■ ハンター型と、ファーマー型
冒頭でなぜこのような話を持ってきたかというと、「仕事の方向性」にも繋がる話だな、と思ったからです。
仕事にはハンター型(狩猟型)とファーマー型(農耕型)の2種類があるといわれます。
・ハンター型 獲物を捕らえることから転じて「売り切り型」
・ファーマー型 育てて収穫することから転じて「育成型」
ハンター型は捉えて食べたらおしまい、また次を探しに行かなければなりません。これに対してファーマー型は収穫しても育成しているので、丁寧に世話をすれば次の季節にまた収穫できます。
「パワプロシリーズ」は言わずもがな「ファーマー型」です。しかしそういうと多くの人は「え?」と思うかもしれません。
これはとても重要な視点です。一般的には製造業はハンター型だという認識が多いと思います。「顧客が購入したらこの商品に継続はない。だから新しい製品を生み出さないといけない」という思考です。
製造業がそう考えて製品を生み出すとしたら、その新製品はこれまでとは全く違う製品となり「製品のファン」を育成することなく離してしまうでしょう。そしてその例はとても多いです。そうではなく「ファーマー型」と考えれば継続的な購入をうながすことができます。
たしかに製造業はハンター型という考えは根強いと思いますが、これは「意識」の問題です。「製造業はハンター型ではなくファーマー型だ」と自らが考えることで「顧客の育成」を進めロイヤルティを高めることにつながります。
■ パチンコ店の ファーマー 型経営
さてパチンコ店ではどうかというと、これはもちろん誰に聞いても「サービス業はファーマー型だ」というでしょう。売り切りではなく継続来店が重要管理点だからです。
しかし、ファーマー型だと言いながらもその行動はハンター型になっていないでしょうか。
・常に新規客を追い求める施策の展開
で、そのもっとも顕著な例が、
・イベント日に放出して、その財源は平常営業から
・リニューアル前に高利益率営業で財源確保
です。
これではファーマーではなくハンターです。
PLC(プロダクトライフサイクル理論)によれば、業界(または製品)の成長期は客数を求めることが適切ですが、成熟期以降においては新規客を追い求めることは逆に非効率になるとされています。この時期は既存客を重視した戦略、戦術が有効なのです。
真の意味でのファーマー型営業、それは「既存顧客を大事にする」です。
「金の卵の寓話」と同じです。
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