「 成果を創り出す 」、つまり企業で言うならば業績の向上であり人財の育成を指します。そして日々、だれもがこの「成果」を出すために努力しているものだと思います。
私はコンサルタントという職種柄、全国いろいろなお店とそこで働く人たちを見てきました。そのお店や人たちすべてに共通していること、それは「努力をしない人はいない」ということです。どんなに業績が芳しくなく、どんなに人手が足りない現場であってもみな、それこそ全員が現状を変えようと努力しています。
しかし現実的にはその努力が実っていない、欲しい結果(成果)が得られていないお店や人たちがいます。
今回はこの違いを考えてみたいと思います。
■ ひとりの力は小さい
成果が得られないお店や人々は、そのほとんどが「一人または少数だけで頑張っている」という傾向があります。それこそ店長一人、店長と主任だけががんばっていて、店舗スタッフ(や、店長一人で頑張っている場合には部下)を使っていないのです。
そういったお店の店長は「スタッフ(または部下)には苦労を掛けさせたくない、みんなのために自分がやるんだ」という強い意志を持っていますが、それでは限界もあるので成果につながりにくいです。逆に成果を出しているお店については、お店全体での協力を得て関係する人一人ひとりが努力をしています。
この話をすると多くの反応は「大きな組織で、そういった仕組みがあるからできるのだ、自店でそれはできない。」と返ってきます。
しかし「できない」としてしまうとそれで思考停止です。「どうすればできるか(そうなるか)」を考えなくてはいけません。
■ 自信を持つ
他人に仕事を任せられない人は「他人に任せるよりも自分がやった方が早いし、正確」と考える傾向があります。「他人に任せて時間がかかるよりも自分がやる」です。違う言い方をすれば「他人を信用できない」ということです。
しかしその「他人を信用できない」の根底には、実は「自分を信用できていない」ことが隠されています。「自信がない」のです。自分に自信があれば堂々とできます。しかし自信がないので「ひたすら動いて、クタクタになる」ことで他者に努力している姿を見せ、その自信のなさを埋めようとしているのです。
成果を創り出すにはチームで動くことが必要、そしてそのためには自信を持つことが必要です。
■ 自信を持つためには
自分を信じる、つまり自信を持つには以下の5つのことを意識してください。
① 目標を明確に具体的に、「肯定的に」定める
② 自分に正直になり、ありのままに「肯定的に」表現する
③ 冒険の気持ちを持つ
④ 結果に責任を持つ(過程での責任ではない)
⑤ 他人を援助する(楽をさせることではない)
いま、一人で仕事を抱えて大変な思いをしている人たちは、これら5つの意識が少ない(低い)のではないか、と考えられます。
■ 成果を創り出す 組織
自信を持ち、他者を信頼することで組織としてのパワーが生み出され、そこで店長がすべきことは「リーダーとして周囲の力を引き出すこと」です。周囲の力を引き出せれば成果を創り出す組織になることができます。
① 組織としての課題を明示する(隠さずに共有する)
② 組織構成員一人ひとりの自主性を高める(参画意識を高める)
③ 責任の自覚を持たせる
④ 相互援助の意識を持たせる
①は店長が示すことであり、②~④は店長として組織構成員(スタッフ、部下)のサポートに徹底することです。
成果を創り出している組織では、その構成員一人ひとりが自覚と責任、リーダーシップを持っています。店長(もしくはその組織のトップ、リーダー)の仕事は彼ら構成員が「動ける」ようなサポートに徹することであり、決して自らが動くことではありません。
「成果を創り出すのは自分ではない、組織だ」という意識です。
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