■ 20年前は“出す”、10年前は“シメる”が基本だった 正月後の営業
令和3年、「あけましておめでとうございます」。
本日は1月5日、例年通りお正月の3が日後のこの2日間(1/4~5)に集客のピークを迎えるもので、私の支援先のデータでもまずまずの稼働を示しているお店が多いです。
しかしこの後は例年、稼働が急激に落ち込んでいきます。
これまで、こういったとき(休日が続いたあとに、落ち込むとき)にすべきことは「将来の原資としての利益の確保」とされていました。
「ん?客数が少ないのだから出していくべき時期のはずでは?」
こう思った人がいたかもしれません。
これ(よくないときのテコ入れ)はポジショニングで「強者」とされる立場の戦略(戦術)です。「強者は弱みを補う」のがセオリーだからであって、平均以下となる大多数は「弱者のセオリー」、つまり「弱者は強みに注力する、弱みのテコ入れは後に行う」をすべきなので、「何をしても結果が得にくい時期は、動かずにじっと耐える」という考えです。
私がP店管理者時代、つまり今から20年ほど前には「正月明けは、出す」が基本でした。当時は総じてどのお店も稼働が良いので「強者の戦略」が通用していました。
それから時代は二極化が進み大多数が弱者となったことで「強み一点集中戦略」、つまり入替やイベントでの放出を意識して「良くないとき=稼働が見込めないとき」は基本的にシメ営業でその放出原資の確保展開が正しいとされていました。
■ 2021年、いまは「出しても意味がない、シメたらなお落ち込む」という時代
私は過去の業界誌連載やこのコラムにおいて再三、上記のように「まずは利益の確保を優先すべき」とお伝えしてきました。当時は利益優先営業をしてもその後の「仕掛け」、つまり大型入替やイベントの実施で回復の道筋が見えたのです。
しかし特に新要件機種が増えた現在、また新型コロナウイルス禍での全体的な客数減少の現在では、機種の魅力が低下していることもありなかなか思ったような結果が出せなくなっています。
こういった状況では利益を最優先した営業よりも、「まずは平常の稼働を確保する」ことが先決でしょう。
過去、パチンコ店のセオリーとして「放出は集中、回収は分散」という考え方がありました。このセオリーの基本的な考え方は、
・目立たせたいことはまとめるべき
・目立たせたくないことは薄めるべき
というものですが、今この考えどおりの出し方を志向すると、
・出るときは一瞬だけ
・逆にいつ行っても出ていない
となってしまいます。ここでも「一点集中」よりも「平常からの稼働」を優先した方がよいと思えます。
このように最近は、「これまでの正しいこと」が通用しなくなっています。
■ 過去のセオリーは通用しなくなっている
確かに過去では上記のような手法、考え方で結果を出してきたことがあるとしても、もしも今思うような結果が得られていないならば、「セオリー、基本」だとされていたことでも固執してはいけないと思います。
もちろん利益は重要です。だからと言って度を過ぎた利益確保に走ってしまうとその後の回復、復活はこれまでの手法が通用しないことでさらなる悪化を招いてしまいます。
そもそも業績が厳しいホールでは、普通の営業ができるホールよりもむしろ利益に対する考えや行動はシビアなはずです。
なぜなら普通の営業ができるホールでは稼働低下を感じた場合には追加投資(出玉の放出、大きめの新台入替など)ができますが、業績が厳しいホールでは「そのようなことをしたいなら、まず確保しろ」となり、そもそも出発点が違うからです。
そして利益にシビアだからこそ現状に危機感があり、なおのこと利益率を高めなければならなくなり、さらに稼働の低下を招くという悪循環に陥ります。
この悪循環を断ち切らないといつまでも下降のらせんから抜け出せません。
今すべきことは「稼働の“維持”」を図ること、そのために必要なことは入替でもイベントでも集中放出でもなく、「平常営業を重視する」ことです。
それはお客様が安心して楽しく快適に遊技ができる環境を整えることに注力すべきだということであり、「お店、商売」であることを強く意識して「お店としてお客様を迎える体裁を整える」ことだと思います。
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