1月30日(土)/31日(日)の2日間、布袋寅泰さんデビュー40周年のライブがありました。日本武道館です。当初はキャパシティ(約1万人)の50%以下の収容での開催ということでチケットの争奪戦もありましたが、緊急事態宣言下の状況を鑑みて無観客、 オンライン 配信のみです。
配信でのライブ、初めての経験です。自宅のテレビで観るというのはDVDと変わらないかな?と思っていましたが全然違いました。演奏のミスやカメラアングルの少々あっていないところなどに「編集のない生放送、ライブ」感を感じます。(それがいいかどうかは別として)
私は2日間ともに配信チケットを購入して自宅で鑑賞したのですが、このライブを見ていて2つのことに気づきました。一つは配信というスタイルの可能性、もう一つは配信側のプロ意識です。
■ 気づいたこと① 可能性
今回のライブ中のMCで布袋さんは「目の前にはだれもいないけどカメラの向こうには何万人といる。武道館のキャパを超えて、東京が遠すぎて行けないと思っていたファンの方がいる、それこそ北海道や沖縄、海外でも視聴してくれている、素晴らしい。」と言われていました。
今回、収益的には厳しいものだと思います。(武道館使用による必要経費とチケット収入のバランス。会場なら8,000円設定だったが配信なので4,000円。単純に事前計画の2倍以上の動員が必要)
しかしそれは当初から武道館を押さえていたから使用しているだけなので、今後配信スタイルでのライブが一般化すればもっと小さなハコ、それこそちょっとした大きさのスタジオやライブハウスレベルを使用することで開催費用を大きく削減できます。
また配信ライブというスタイルが一般化すれば、視聴には上限がないので会場キャパを気にしないで販売できます。さらに「遠いから」といった断念がなくなり遠隔地の方が購入をしてくれるでしょう。今回の販売枚数結果から事業規模と利益の計画、そこからの目標販売数の設定ができることになり、ある意味実験的だった今回のライブが今後の事業展開のノウハウにもつながったはずです。
エンターテインメント業界での新しい形の事業展開、それはリアル(ライブ)でありながら空間的時間的、地理的距離をなくした参加の形。今後の可能性はここにあると思います。
ただ良いことばかりではなく課題も感じました。こちらは簡単に。
(1)音圧の面で物足りなさがある
やはりリビングのテレビ視聴では音量もある程度制限されるので仕方ないかと思いますが、少々物足りないく感じました。(イヤホンもしくはヘッドホンにすれば音圧も得られますが。)
(2)視界にはライブ以外も入る
ライブ画面以外も視界に入るので、「ライブそれだけ」に集中するのは難しいと感じます。一応私は部屋のカーテンを閉めて電気を点けずに観ていましたがそれでも少々は気になりましたね。現代の必須アイテムであるスマホに気を取られる、ということもありました。
■ 気づいたこと② 配信側の精神力、プロ意識
目の前にいるはずの観客がいないこと、これは精神的気分的にかなりきついものがあったと思います。ライブではアーティスト自身も観客に「乗せられる」面があり会場全体の盛り上がりによって最高のパフォーマンスを出せるものですが、今回はそれが全くありません。
会場には多くのカメラがあり途中途中でバックショットや会場全景も映し出されました。もちろんわかってはいることですがそこには異様な光景が映し出されています。
しかしカメラの向こうには会場で行うときよりも多くの観客がいるので、彼らに向かってのパフォーマンスは最高のものを提供する責任があります。
今回のライブ、まさに布袋さんは「プロ」でした。まったく反応のない、誰もいない客席に向かって全力のライブを届けており、客席が映らなければ、曲間の静寂がなければ「無観客」という現実を全く感じさせなかったです。
オンライン形式のセミナーを私も何度か受講して感じた違和感がここにあります。すべて、とは言いませんが、オンラインセミナーでは講師の多くが「いつもと勝手が違って・・・」、「オンラインはやりにくいですね・・・」等の発言、弁明をしている場面を見たことがあります。
これはプロではないと思います。
「どんな状況でも最高のものを届ける、環境の違いは顧客には関係のないことである」、こういった気持ちを演ずる側が持たないといけないこと、これからの時代に合わせるなら目の前にいる/いないは関係なく「いつもどおり」を意識しなければならないことを学びました。
改めて上に上げた画像でのライブ、これは相当にモチベーションも下がるものだと思います。頭でわかっていてもパフォーマンスに影響が出ても当然のこの環境で布袋さんはいつも通りステージで暴れ、観客を煽るパフォーマンスでした。
私自身も仕事が大きく変わりました。コンサルティングもセミナーも、ほぼすべてがオンライン化となっているのです。そこに「オンラインだから~」という言い訳は一切必要なく、「どうすれば今の環境でこれまで通り、又はこれまで以上のサービス提供ができるか」を追求していかないと行けないと思いました。
■ やったからこそ、得られる
今回の無観客配信オンリーライブ、これは「やった者」にしかわからない貴重な経験になったと思います。
いま、時代は大きく変化の渦中にあります。近いところでは音声版SNS、Clubhouseの登場もその一つです。私たちコンサルタントとしてはオンライン化に対応したサービスの提供をどんどんやってみる、パチンコ店側としてもオンラインでの顧客体験価値の提供をどんどんやってみる。既存の価値観にとらわれずに率先して新しいこと、モノに触れていく姿勢で臨んでいかないといけないと思います。
黎明期、変わり始めた今この時期だからこそ、ドンドンチャレンジして失敗してそのノウハウを蓄積すべきです。レールやルールが整備された後では他社の後塵を拝します。ぜひ、先行者となるべく行動してください。
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