AIの台頭 、気になりますね。
私の友人には士業(サムライ業)の方も多くいます。知り合い、ではなく友人です。
友人なので忌憚のない話をするのですが、その中で司法書士の友人が最近面白いことを言われていました。
「司法書士だって、すべての法律が頭に入っているわけじゃないんだよ。ただ、『こういった案件の時は○○って法律が根拠だな』と考えて、その条文のある法律書を引っ張り出すんだ。」
司法書士というのは文系資格の中で司法試験に次ぐ最高峰の資格。超絶に頭のいい人というイメージでした。聞きかじった(薄い)私の知識では「司法書士試験に合格するには司法試験同様、六法全書を一字一句違わずに覚える必要がある」だったので、上記の司法書士先生(の友人)の話にはちょっと驚きました。
もちろん試験においては確かに、合格には六法全書を丸暗記する必要があるそうです。
それでもそれは試験の話。実務になったらそんなことよりも応用力のほうが大事だといわれていました。ただし根拠法がどのあたりにあるか、は把握しておかないといけないですけどね。そして弁護士同様にそのカバーする範囲は膨大なので、どこかに特化して強みを作る必要がある、とも言っています。
さてさて。
その友人の司法書士先生、現状に強い危機感を持っています。理由はAIの台頭、とある調査において司法書士は「AIでの代替可能性が78.0%」とされていたからです。
ちなみにその他の「AIに代替される可能性のあるサムライ業」は、
・行政書士 93.1%
・税理士 92.5%
・弁理士 92.1%
・公認会計士 85.9%
・社会保険労務士 79.7%
・司法書士 78.0%
となっており、逆に代替される可能性の低いサムライ業は、
・中小企業診断士 0.2%
・弁護士 1.4%
となっていました。
さて上記「代替可能性」についての極端な違い、理由はわかりますか?
答えは、
・定型業務か、非定型業務か
です。
弁護士や中小企業診断士はその扱う業務と対応がクライアントごとに違います。ある意味完全な「受注生産」といえるでしょう。
これに対して司法書士その他AIに代替可能性の高いサムライ業は、その内容が定型的で基本的な対応が同じとなります。
コンピューターが強いのは計算力とスピード、それが生かせるのは定型的な作業であり不得手とするのがイレギュラーな対応です。
もちろんすべてがAIに取って代わられるのではないわけで、その友人は「AIにできない分野を探し出してそれを強みに転換していくことを司法書士としても考えていかなければ」、と危機感を持っているわけです。
ここではサムライ業を例にとっていますがこの話はほかの業種でも同じです。
要は「定型的なことを仕事としていると淘汰される」ということであり、実際に銀行の窓口の人員削減、docomoによる窓口(ショップ)を通さない新サービス(ahamo)の登場と、どんどんその淘汰は進んでいます。
パチンコにおいては一昨年に登場した「全館自動化によるスタッフのいない(極端に少ない)店舗」が話題となりました。今のところはそういったニーズがまだ少なく結局元に戻ったようですが、近い将来はわからないでしょう。実際にほんの10年前はまだ各台計数機の市場認知、ニーズは少なかったのですが現在はほぼ必須となっています。このように社会は変わります。そしてAIの台頭と代替についてはその予測の精度、実現可能性はかなり高いのです。
これから生き残るには?
それは、
・不確実性の高い事案に対処できる能力を持つ
人材になることです。
日々同じことをルーティンで行うだけの人材は淘汰されます。不確実性の高い事案に対処する、そのためにも日々、様々なことを学んでいってほしいと思います。
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