■ 売上が増えても客数は増えないと考える
お盆営業はまずまずの結果だったと感じられる稼働でしたが、やはりというか例年通りというべきか、お盆後の8月後半から現在は特に平日でかなり厳しい稼働で推移していると感じます。
これにより8月度の結果は計画していた利益の確保ができていない店舗も多かったかもしれません。ということは、年間の営業計画としてはその足りなかった分をこれからの営業で取り戻さなくてはいけないことになります。
この「取り戻す」という作業、そのためには稼働、売上の向上が必要になりますが、これまでのように遊技機の魅力や射幸性に頼った営業はできないので、営業のやり方、手法を根本から見直さなくてはいけないです。
「これまでのようなやり方」とは新台入替に頼った営業のことです。もうここ何年も同じことの繰り返しになっている、入替をしても一時的に稼働や売上が上昇するだけでまたすぐに元に戻り、だからまた入替をしていく、というサイクルのことです。
例えば7月に導入開始となる新機種に期待をしていた店舗は多かったと思います。結果は上記のとおり、多くの店舗では一瞬上昇したように感じてもすぐに元に戻っています。新台を導入すると稼働、売上が上昇するのは「新台だから」ということで一人あたりの投資金額が増えるだけのことなのであり、お客様が増えるのではないからです。
■ 入替を 営業の軸 としている限り、変わらない
「新台入替を繰り返し、刺激をする」、このサイクルがこれまでの営業モデルになっていました。「新台入替を軸にした営業」です。
しかしこれからは新台そのものに求心力がない時代になります。
そうなると入替をしても一時的な上昇すら起こらないことも予測できます。今こそ、この「新台入替に頼った営業」から脱却する必要があるのです。
「新台入替に頼らない営業、新台を軸にしない営業」、それは「基本に立ち返る営業」、すなわち「王道の営業」です。市場(商圏、または自店)で一番支持されている商品を安く提供することこそが「王道」となり、それは海であり北斗であり、ジャグラーとなるかもしれません。韋駄天や牙狼、という選択肢もあるでしょう。
「強い部分を、より強くする」と考えて行動に移すべき時なのです。
これまでは出玉に投資しても時間がかかるからと、既存機種への投資が敬遠されていました。どうしても新台に投資したほうが即効性、短期的視点での効果があったからです。
しかし今後は変わります。営業の軸は新台入替での新機種ではなく既存の長く使っている機種になります。繰り返しになりますが、「新台に魅力がないから」です。
■ わかっているなら行動に移す
「言われなくても、わかっている」
こう考えた方もいるかもしれません。
ではその分かっていることを実践していますか?「入替よりも既存設置機種(しかも長期設置機種)への投資の方がいい」、誰しもがわかっているそのことを実際に行動に移しているお店(人)は少数なのが現実です。
「あの店は海(またはジャグラー、または北斗)が強い」
こう思っているならそれは間違いです。「あの店」は強いのではなく「強くした」のです。
この戦術は時間がかかります。だからこそ今動かないといけないのです。
3年前に動き出していたとしたら、今の結果は違ったものになっていたことでしょう。
だから、今動くのです。
入替はしなくてはならない重要な戦術ですが、今後は「軸」ではなくなります。早めに考え方を変えて、軸は「既存機種」としていく方向性をとってほしいと思います。