毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
■ 回すことは楽しさの演出
お店での日々の遊技機メンテナンスでは主にスタート回転数をチェックすることになると思います。
そして多くのお店では厳しい稼働という現実から粗利の確保に苦労しており、どうしても利益確保のためにまずはスタート回転数を下げることを考えるでしょう。「粗利確保のためには、回したくても回せない(回さない)」です。
しかし自分がパチンコをする時を考えてください。
やはり回らないよりは回る店で遊びたいはずです。
そうなんです。稼働を伸ばす、現状からの脱却を考えるならまずは絶対に回さないといけないのです。
「そんなことは言われなくてもわかっていますけど?」
そう思った方、本当にわかっていますか?
これは「回ったほうがストレスを感じないからいい、回した方が楽しいのはわかっているよ?」という単純な話ではないのです。実は「あのお店はたとえ負けても楽しい」といった、お客様のお店に対する印象を決定づける重要な要素なのです。
「そりゃ、回すんだから楽しいと思ってもらえるのでは?」
と思った方、違います!
回るから楽しいのではなく、もっと深い要素が隠されているのです。
■ 回せば早く当たる
パチンコを打っているときに最も楽しいのはどんなときかというとこれはもう、大当りしたときでしょう。
ここにスタート回転数は関係ありません。
回ろうが回るまいが大当たりすれば楽しいのです。
ということは大当りが、
① より早く到達する(大当たり間がより短くなる)
② より多く経験する
ことで楽しさが増していくはずです。
この傾向(大当りを早く、多く)を繰り返すことで「あのお店は楽しい」と思ってもらうことができるわけです。
① いかに早く到達させることができるか?
大当り確率が1/300の機種において、
A店…スタート 5.50回/分
B店…スタート 6.00回/分
となっていたとします。
この場合大当たりするまでに必要な回転数は300回なので、
A店…1分間に5.50回ということは、大当りまでに54.5分かかる(300回÷5.50回)
B店…1分間に6.00回ということは、大当りまでに50.0分かかる(300回÷6.00回)
ということでB店のほうが早く大当たりすることがわかります。「大当りまでに必要な回転数は同じでも、回すことで、必要な時間はより早くなる」のです。
② より多く経験させる
一日の遊技は「通常時→大当り→通常時→大当り・・・」を繰り返します。
仮に通常時を55分間、大当り消化を20分間として、一日に打込数が30,000発あるならば「通常時→大当り」のセットが4回あることになります(30,000発=300分間なので、300分÷75分)。
この時に通常時を50分間にすれば1セットが70分となり同じアウト数でも4.29回の初当りを経験できます(300分÷70分)。
このように「回すことで通常時間が減り、より多く大当りを経験させる」ことができます。
■ 遊技機のメンテナンスはスタートだけじゃない
「回す必要性はわかったけど、そもそも出せないから回せないんだけど?」
そう思った方、違います!
今と同じ利益率、玉粗利でも回すことはできます。
遊技機のメンテナンスはスタート回転数だけではありませんね?確変ベース、特賞出玉、他入賞を見直してできるだけこの3項目を下げてスタートに割り振ることはできるはずです。最近の遊技機では確変ベースと特賞出玉のメンテナンスは難しい傾向にあるので現実的には他入賞のチェックが重要です。
「稼働がないから調整なんてしても変わらないよ」
このように考えがちですが、細かい計算(シミュレーション)をして数字を組み立ててそのとおり調整することはとても重要な作業です。ここで手を抜いていては稼働の向上、業績の向上は絶対に無理です!
「スタートを多く回す」というのはイライラ感をなくすということではなく「お客様が楽しいと思う時を増やす」意味があります。
粗利確保に目を向けているととにかく回さない傾向が強いですが、そのままではどんな施策をしても「この店は楽しい」と思うようになりません。
「とにかく、スタートを上げる」ことが現状脱却につながります。
■ 利益と稼働を両立する考え方
-稼働を上げるには、出さなければいけない
-利益を上げるには、シメなけれないけない
この思考は間違っています。
アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社では一貫して「利益を増やせば、稼働は伸びる」とお伝えしています。
なぜそう言えるのか?
その答えはこちらをご覧ください。
⇒ https://www.ab-c.jpn.com/8655