毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
2023年も2月に入りました。ただ、相変わらず業績に手応えを感じない日々が続いています。
入替をはじめ広告宣伝や販促の見直しなどでこれまでやってきたやり方を継続していくのか、もしくは変更してイメージを変えてみるのか、いろいろ考えて実施しているにもかかわらず・・・。
とにかく先が見えない混沌とした状況に気持ちも沈みがちです。
個々の施策については立地や置かれた状況で「正しいこと」は変わるのでここでは述べませんが、今回はこういった「どうすればいいのか、訳が分からない状況に陥っている」ときに考えてほしいことを伝えします。
・should
・would
・could
こういった3つの言葉があります。これらを意訳すると、
・should → 義務(〇〇すべき~)
・would → 希望(〇〇でありたい~)
・could → 可能(〇〇ができる~)
となります。
さてみなさんはこれら3つのうち、どの考え方に沿って日々仕事をしていますか?
この質問をすると大多数は「should」と答えます。
「お客様の欲求に応えるべき。自分の希望(would)や可能な範囲(could)を優先してもニーズには対応できない」という考え方であり、要は、
・お客様のニーズをくみ取る、それがマーケティングである。
・プロダクトアウトではなく、マーケットインが正しい。
という尤もらしい意見です。
これらは正論・王道であり、その通りにできるならまず間違いなく業績も回復するでしょう。
でもこれらの前提条件を忘れていませんか?
前提条件は「お客様の欲求、ニーズを把握したうえで」なのです。
そして大多数はこの「お客様の欲求、ニーズ」を把握しきれていません。
把握できないからこそ様々な施策を行いその中で効果のあるなしを見る必要があるので、「should」を志向できるのは王道を実践できるだけの経営資源を持つ「強者」の戦略なのです。
やはり自分自身を等身大で見つめなおして、「我々はお客様のニーズなどわからないし、探ることもできない」から考えるべきなのです。
そうなるとwouldなのかcouldなのか、となります。
結論から言うと「could」から思考をスタートさせるべきです。弱者は仮にニーズを探し当てたとしてもそれに対応できるだけの経営資源があるとは限りません。
例えば貯玉システムが顧客ニーズだったとしましょう。
現状で自社がそのシステムに対応していなければ導入には1,000万レベルの資金が必要になります。できないことをいくら考えてもできないものはできないのです。だからこそ、「自分にできることは何なのか?」から考えるのです。
実は今回挙げた3つの言葉は「ブランドを決定づける3要素」と呼ばれています。
・should=社会の期待
・would= 経営者、社員の意識
・could=企業の強み、企業らしさ
ということで、社会の期待に応えることでブランド力を上げる、会社の意識を高めることでブランド力を上げる、会社の強みを伸ばすことで差別化を図りブランド力を上げる、とされています。
ところがこのうち社会の期待に応えるにはそれなりの資本がいります。
また、意識改革はshouldかcouldを進めるうちに高まるものです。だからこそ、資本力のない企業はcouldをまず考えるべきなのです。
「弱者の戦略は、強みを生かすこと」。Shouldを優先させられるのは強豪だけです。
「あるべき論=こうすべき~、こうしなければいけない~」など、さも顧客ニーズに応えることが業績向上につながるように考えがちですが、弱者はそもそもニーズに対応しきれないことを肝に銘じてください。
だからこそ、まずは「できること」を考えなければいけないのです。
(了)
■ 利益と稼働を両立する考え方
-稼働を上げるには、出さなければいけない
-利益を上げるには、シメなけれないけない
この思考は間違っています。
アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社では一貫して「利益を増やせば、稼働は伸びる」とお伝えしています。
なぜそう言えるのか?
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