毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
3月決算の会社では4月が一年のスタート、さて1カ月が経過しての今期出だしはどうだったでしょうか?
「何も変わらないよ、厳しい状況が続いている。」
こういった声がほとんどだと思いますが、先月4/5にアップした「店長に求められる〝結果〟」でご紹介したお店のように結果を残すことで、「今後は期待できる!」というお店もあります。
ただ、このように結果を残したことで自信がつき、これまでの取り組みを継続することでそれなりの未来がイメージできているお店こそ、変えなければいけないことがあります。
言うまでもなく、店長として期待されていることは現状維持ではなく「業績向上」ですから。
ここで少し考えてもらいたいことがあります。
今のお店の状況、これはどのように出来上がったのでしょうか?
もちろんそれは、このお店で働いていた人たちが作り上げたものです。
もう少し言うと今の状況は、そのお店のトップである店長が作り上げたものといえます。
「これまで過去に店長がやってきたことの結果が、今の状況」ということは、今までと同じ努力をしても今目の前にある状況と同じ未来しか手に入らないことを意味しています。
つまりこの一年に行ってきたことの結果が「それなり」ならば、この先も「それなり」でしかありえないのです。
1981年から2001年までアメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE)で最高経営責任者を務めたジャック・ウェルチは常々、
「手遅れになる前に、改革せよ」
と言っていたそうです。
「手応えを感じているとき、好業績だからこそ今のうちに手を打っておく」ということです。
物事が動き始めてから、あるいは問題が顕在化してからでは遅く、将来の価値を確実なものにするためには事前に動かなくてはいけないのです。
このウェルチの言葉を知らなかったとしても「手応えがあるからこそ、変える」という決断は身近に多々あります。
例えば業績が良くなった店舗の店長をあえて異動させて新たなチャレンジの場を作りだしたり、店内販促や装飾の雰囲気をこれまでとガラリと変えたりすることなどが、このウェルチの言葉の実践例と言えます。
一般的に、堅調な右肩上がりが予測できるときは前例踏襲が良いとされ、未来の予測が困難な激動の時代には前例打破の発想が良いとされます。
まさに今は後者でしょう。
混とんとした現代において「前例踏襲」といった官僚的な発想は必要ないです。
常に変化を意識して、今と同じ未来を受け入れない意識を持ってください。
(了)