各種統計が発表しているパチンコ店の平均設置台数は約480台。
これが平均=真ん中と言われても「?」となると思います。平均は必ずしも中央値ではないですからね。
つまり、中央値の正確な統計はありませんが「平均以下の台数」の店舗が大多数なのです。
そしてその多くを占める中小規模店舗はまたそのほとんどが商圏内の大手(大型)店舗との競争に悩んでいます。
そこで、改めて中小規模のパチンコ店がこの先を勝ち抜くために必要なことは何か?を考えたいと思います。
はじめに
近年、パチンコ業界は厳しい競争環境にさらされています。
新台入替に頼った集客力の維持は、資金的な負担が大きく、特に中小規模のパチンコ店にとっては持続が困難です。
そこで本稿では、新台入替に頼らない戦略を取り入れ、持続的な競争力を築く7つの手法、考え方をご紹介します。
もちろん中小店舗は大手(大型)店舗に資本力で劣ることが多いので、その戦略及び戦術は「入替には(基本的に)頼らない」をベースに考えます。
(1)顧客対応の向上
まずは「サービスの質」について改めて見直しをすべきです。
しかし「パチンコ店のサービスって、何を言うのだろう?」、多くがこう思うはずです。
一般的なサービス業ならば顧客との接点での何気ない会話や「“個”客志向」として名前で呼びかけるなどが挙げられますが、パチンコ店は特有の騒音などによりこれらはなかなか難しいと感じるでしょう。
しかし「できること」はあるのです。それは「従業員の接客スキルを向上させる」ことです。具体的には「笑顔」、「キビキビした行動」「お待たせしない」というものです。
これらはすぐに取り組めるはずです。
中小のパチンコ店において客数を増やすことは非常に難しい課題ですが、滞在時間を伸ばすことは取り組めます。
今一度意識してもらいたいポイントです。
(2)地域密着型の取り組み
地元コミュニティとの関係を深め、地域に根ざしたパチンコ店を目指す取り組みもあります。地域イベントへの参加や、地元の団体とのコラボレーションを通じて地域住民からの支持を得ることがリピートを生み出します。
中小規模は大きな商圏を持てません。だからこそ店舗周辺との関係を強く意識してほしいです。
「持ちつ持たれつ」、近年はあまり考えることがなかったかと思いますが、今一度「地域のパチンコ店」を意識してほしいと思います。
(3)オリジナリティの追求
他店と差別化できる独自のサービスや企画を導入して、今いる顧客に新鮮な魅力を提供してください。例えば地域にない機種の設置や店舗オリジナルグッズの提供、特別イベントの開催などが考えられます。
遊技機構成=商品構成はどこも同じ。遊技機ではなくその他の部分に目を向けてください。(と言っても遊技機の品質を疎かにしてはダメですよ!)
(4)スタッフ教育と人材育成
スタッフさんの教育と人材育成に力を入れることで、サービスの質が向上し、顧客満足度が高まります。
定期的な研修やスキルアッププログラムを実施し、フロアスタッフ=顧客と直接の接点を持つ彼らのモチベーションを高めることが重要です。
(5)店内環境の改善
快適で清潔な店内環境を提供することは顧客がリピートしてくれる要因の重要なポイントです。
照明、音響、温度、座席の快適さなど、細部にわたって今一度チェックしてみてください。
また、喫煙スペースの店内設置や休憩スペースの設置も「顧客満足度」においては重要なポイントです。特に喫煙は完全禁煙化から早くも3年、未だに店外なんて考えられません!店内環境について何も考えていなかったと言われても仕方ないでしょう!
(6)マーケティング戦略の強化
ここまでの4つがアナログ的な行動なのに対して、ここからはデジタル的な提案です。
まずはマーケティング。
効果的なプロモーションや広告戦略をしっかりと立案してください。ただし「他社がやっているから~」、「これからはDX時代だから~」となんとなくおこなうのではなく、「自社が何のために、どのように、誰に対して」行うのかを明確にして行うのです。
ターゲット顧客層を明確にしてください。そしてそのターゲットに訴求力のあるメッセージを発信してください。文章、見た目、内容をしっかりと吟味するのです。
そして展開はもちろんSNS。
情報発信や、特定の客層=ターゲットにむけたキャンペーン(イベント)を実施して、集客力を高めるように持っていきます。
繰り返しですが「やっている」ではダメなのです。
(7)データ分析と改善
顧客の来店データや機種別の稼働データを分析していますか?ホールコンピュータは宝の山ですよ!データを活用して、今いる顧客の嗜好や需要を把握し、適切な施策を実行することで彼らの滞在時間と来店回数を増やすことにつながり、競争力を高めることができます。
繰り返しですが、中小店舗が客数を増やすことは非常に困難です。目指すべきは「リピートの増加」です。
おわりに
今回のテーマは「新台入替に頼らない戦略」。
これら一つ一つは実践されていることも多いと思いますが効果が出ていないお店も多いと思います。
これらは基本的なことで、そして必要なことです。
今一度力を入れて実践してください。
入替パワーがなくとも中小規模のパチンコ店も持続的な競争力を持つことができます。
顧客のニーズを理解し、それに応える施策を継続的に実行することが成功のカギです。
今回ご紹介した7つの手法、考え方は柔軟な発想と継続的な取り組みが求められますが、中小規模のパチンコ店にとって大きな成果をもたらします。
(了)