2023年5月19日、日経平均株価がバブル後最高値を更新する一時3万900円台の値をつけました(終値は3万808円)。
「日経平均バブル後高値 何が起きた?今後どうなる?」(日本経済新聞)
これは2022年度決算で日本の企業はコロナ禍を脱し経済活動の正常化に伴って軒並み業績を伸ばしているからだそうです。またアメリカ国債のデフォルト問題で金融市場が混乱し、安定銘柄として日本の株式への買いが増加したことも要因の一つとされています。
と言われても一般市民感覚では「?」と思ってしまいます。円安の影響で資源価格が高騰し、そのため食品、電気等インフラ価格などの値上げが続き生活はとても苦しいというのが実感でしょう。
そうなると市民は支出の引き締めを考えるので、真っ先に削られるのが娯楽関係となり、特にパチンコはその筆頭だと思います。
GW明けの今、特に平日の営業は非常に厳しい稼働(売上)が続いています。
そんな時に「仕方ない」と現状追認で過ごしていても何も変わりません。今すべきは「動くこと」ではないでしょうか。
■ 次々と夢を実現してきた男 「早川 周作」
先日所属する経営研究会(日創研北大阪経営研究会)の例会があり、特別講演として卓球のプロチーム「琉球アスティーダ」代表、早川周作氏のお話を聞く機会がありました。
「夢は諦めなければ、必ず叶う」と唱え続け、
次々と夢を実現してきた男 早川周作。
(早川周作オフィシャルウェブサイト https://s-hayakawa.com/ より)
早川周作氏を知らないという方に少しご紹介をいたします。
大学受験直前に家業が倒産、父親が蒸発し家財をすべて失い無理心中寸前まで追い込まれるが、前向きな上昇志向で大学進学を目指して上京。
朝の新聞配達から深夜の皿洗いまでアルバイトをして学費を作り、明治大学法学部に進学。大学在学中の20代前半から、学生起業家として数多くの会社の経営に参画して活躍する。
その後元首相の秘書として約2年間勉強し、28歳で国政選挙に出馬、次点。
経営者に戻ってからは「日本のベンチャーを育てる」という意志の下、日本最大級の経営者交流会を全国で主催。
著書として『人生が変わる!「夢・実現力」』、『小さい夢から始めよう。』がある。
経済紙、新聞その他のメディア露出多数。
2012年10月より2013年3月まで日本経済新聞の子会社、ラジオNIKKEIで全国ネット冠番組「タイムリー・トークショー早川周作Co-Lab」に出演。30分の番組内では時事ニュースへのコメントやHISの澤田秀雄会長その他の有名経営者、また現職大臣、知事等を迎え時事対談を繰り広げた。
2018年2月、沖縄から卓球のプロリーグであるTリーグに参戦する「琉球アスティーダ」やトライアスロンチーム、飲食店を運営する琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社を設立し、代表取締役に就任。
2021年3月、プロスポーツチームとして日本初となる上場を果たす。
2021年4月、女子チームに参入し子会社の九州アスティーダ株式会社を設立し、取締役に就任。同年8月、子会社のアスティーダマーケティング株式会社、AMG株式会社取締役に就任。
また明治大学MBAビジネススクール講師、国立大学法人琉球大学客員教授に就任し業種業界を超えた幅広い分野で活躍している。
(早川周作オフィシャルウェブサイト https://s-hayakawa.com/ より)
講演の内容は「どんな状況でも前を向き、諦めないでやり続けることの大事さ」を伝えるものです。早川さん自身の経験が基になっており(一般の感覚なら絶望しかない状況や無謀とも思える思い付きから行動を起こし、結果につなげたこと)、その話、言葉はとても心に響くものでした。
その経験の一例は、
・家業倒産、父親蒸発から学費を自分でねん出して大学進学(この状況を脱するには学ばなければいけない!という考え)
・「強者に優しく弱者に厳しい社会はおかしい、これを変えるには政治家にならなければ!」と考えて民主党(当時)の羽田孜元内閣総理大臣を訪ね秘書になる。(何のコネもなく、思い付き)
・衆院選に立候補するも落選、政治家をあきらめ経営の世界で世の中を変えようと経営者交流会を立ち上げる。(何のコネもなく)
というようなものであり(※これらは著書でも触れられている)、愚直に行動し続けることで結果を出してきました。
なお補足すると早川さんはとても明るく気さくな方で(講演なのに随所に下ネタが入る・・・)、クソマジメな講演とは一線を画すところも魅力的でした。
もちろん成功ばかりではなく様々な失敗を経て今があるそうで、その基本は以下の言葉に集約される、と述べられています。
「有志有途」
■ 有志有途
一貫したキーワードが「有志有途」、早川氏は座右の銘として日々心にとどめているそうです。
「有志有途」とは、志を持って行動すれば必ず道が開けるという意味のことわざで、強い意志や目標を持つ人々が、その目標に向かって積極的に行動すれば必ず成功につながる道が見つかるという思想を表しています。
物事を成功させるためには、ただ単に望むだけではなく、それに向けた積極的な行動や努力が必要であるという教えです。
また、困難や挫折に直面しても、それを乗り越えることによって新たな可能性やチャンスが開かれるという前向きなメッセージを含んでいます。
まず必要なのは志、想い。
「自分は何をしようとしているのか、何のためにしようとしているのか」が明確になれば人は必然と「そのための行動」を始めると言います。
しかしその道(途)は必ずしも一直線ではないかもしれません。志=目的は一つ、でも道(途)=手段は一つではありません。もしもうまくいかなかったら別の道(途)を探します。あくまでも志(目的)達成を目指すのであって道(途)は一つに決まったものではないからです。
早川氏自身も何度も壁にぶつかり、あきらめかけた時もあったそうですが、そういったときは志(目的)を再確認し、改めて行動を始めてきたとのことです。
早川氏は「弱いものに光を当てる」を志とし、そのための道(途)が政治家になることであり経営者交流であり、現在は沖縄の人口2万人の村に拠点を置くプロスポーツチームの運営となっています。(その他もたくさんありますが。)
そして「有志有途」を実現するためには以下の行動を心掛けてほしいと言われていました。
・即断、即決する(やるにしろ、やらないにしろ)
・行動を起こす(やるなら、動く)
・結果から逃げない(しっかりと見つめる)
・責任を取る(反省し、次に向けて行動をする)
動くと決めるのに熟考は要らない、そして志(目標)達成に向かう道では撤退もあり、その決断も素早く行い、その結果をしっかりと見つめることはとても大事だとしています。
■ 自分を見つめ直す
私自身、今の仕事にそこまでの思い入れを持っていたかと言うとそうではなかったと思います。
前職はパチンコ業界専門コンサルティング会社のエンビズ総研、なぜ独立したかと言うと当時の経営陣と会社の方向性で対立したことで「自分の進め方の方が会社は発展できる」、つまりもっと売上は上げられると考えてです。そこに「志」があったかと言うとそんなことはありませんでした。
しかし仕事は誰かのお役に立つために行うものだと思います。
「誰か、とはだれなのか?」
「お役に立つ、とはどんなことなのか?」
「何を何のためにするのか?」
社会人経験28年、そのすべてはパチンコ業界でしたが、すっかり日々の仕事をサイクル化しているようになっていた自分がいます。
しかし20代の若いころに「パチンコ業界も今は(‘94年当時)こうだけど、未来は変えられるはず」という想いを持っていたことを思い出しました。
「自分の志」を今一度考えるきっかけになった素晴らしい講演でした。
■ 諦めるのでなく、動く
2023年5月8日、新型コロナが5類に引き下げられたことでいよいよ本格的にコロナ前に戻り始めます。この3年間でサービス業は大きく疲弊し、それはパチンコ店も例外ではありません。(例外どころか筆頭かもしれません。)
昨年秋にスマスロが登場しスロット部門は好調ですが相変わらずパチンコ部門は厳しい状況が続いています。
そこでどう考えるか?
「有志有途」
想いがあれば、その実現に向けて行動するので途(道)を作って進んでいける。
途(道)は一つじゃない。
現状を嘆く、諦めるのではなくとにかく動く。
がんばろう、パチンコ。
(了)