「As is-To be分析」という思考方法をご存じですか?
現実を客観的に把握し、それでいて明確な未来を思い描くことでそのギャップをあぶりだし、何が足りないからその理想に到達しないのかを考える手法です。
仕事だけでなくいろいろな面で現状と理想を明確に持つことはとても重要です。なぜなら目指すべき未来(理想)がわからないとどのような努力をしなくてはいけないかが把握できませんし、そのときの現実(現状)を理解していないとその理想に対して現状のリソース(資源)では何が足りないのかがわからないからです。
この分析を行うことで現状の課題や問題点を明確にし、改善や変更の方向性を定めることができるので、プライベートでも活用できるこの思考方法、もちろんビジネスの現場で非常に役立ちます。
具体的な手順は以下のようになります:
1.現状分析 (As-is)
現在のビジネスプロセス、システム、組織の構造を詳細に把握します。現状の課題やボトルネック、非効率的な部分を特定します。
2.未来の状態の設計 (To-be)
望ましい未来の状態や、改善後のプロセスやシステムを設計します。これには、新しい技術の導入、新しい手法の採用、組織構造の変更などが考慮されることが多いです。
3.ギャップ分析
As-isとTo-beの差異を分析します。このギャップを埋めるために必要なアクションやリソース、スキル、技術を特定します。
4.アクションプランの策定
ギャップ分析の結果を基に、具体的な実行計画を策定します。計画には、責任者の指定、期限の設定、必要なリソースの確保などが含まれることが多いです。
この思考展開は企業や組織の変革、新しいシステムの導入、ビジネスプロセスの再設計などのプロジェクトにおいて有効であるとされていますが、そんな仰々しいことだけでなく日々の営業にも本当に役立ちます。もちろんパチンコ店の営業においても、です。
■ 「 As is-To be分析 」から、今目の前ではなく先を考えよう
今目の前に起こっていること、それはこれまでの取り組みの結果であり、取り組んだ時から「こうなるだろう~」とわかっていたことです。
だから、良くない「今」を変えるには過去にさかのぼらないといけないですが、もちろんそんなことはできませんね。
そうなると今動くことで変わるのは「未来」ということになります。今、目の前は変えられないからこそ、未来に目を向ける必要があるのです。
皆さんは「未来の自分、未来のお店」を想像したことがありますか?今の延長線上ではなく、「こうありたい、こうなっていたい」という理想像です。
例えば「1年後に10,000発稼働のお店にしたい」と考えたとします。ところが現実は5,000発です。そうなると自分の理想には5,000発足りないことがわかるので、
・なぜ目標に届かないのか?
・何が足りないのか?
・どうすれば到達できるのか?
を考えることになります。この思考展開が「As is-To beの分析」なんですよね。これにより、
・現実と未来を見比べて、その違いはどこか?何が足りないのか?
を考えることにつながります。この例では「稼働10,000」がTo be、「稼働5,000」がAs isです。
■ 現状は客観的に、未来は理想を
「現実、今目の前」はいろいろな数字を見ることである程度把握できます。客観的な自店の立ち位置なども知ることができるでしょう。
そのときに「今のままではダメだ、もっと良くしたい」と思っても、「どんなお店にしたいのか」という理想が定まっていないとどんな努力をすればよくなるのかがつかめないはずです。
もしも今、未来のお店の姿を想像せずに毎日の仕事に励んでいたとしたら、もしかしたらその努力は全く役に立っていなかったかもしれませんよ?
この「掲げる理想」、描くには注意点があります。それは、
・明確に、
・具体的に
・肯定的に
・期限を区切って
掲げてください。漠然としないで、前向きな、そして「いついつまでに達成する!」と決めてください。そうすることでダラダラとせずに時間(リミット)を意識した仕事になります。
「今、目の前」は過去やってきたことの結果です。
「未来」を変えるためにできること、それは目標、理想を明確にしてそのために動き出すことです。
As-IsからのTo Be、明確にしてくださいね!