毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
4月も中盤です。
ここまでを振り返ると多くのお店で3月の最終週以降の稼働が大きく低下しています。年末年始から3月までの稼働が比較的好調だったので逆にこの落ち込みに対する印象がとても厳しいものになりました。そしてこの厳しい稼働はGW直前辺りまでは続くと思われます。
さて、このように稼働が厳しい時期にはどのようなことを考えていくべきか、今回はそういったお話をしていきます。
どのお店でも営業計画を作成すると思います。作成方法はいろいろありますが一般的なものは、
①月間粗利額を決める。(すでに年間計画で決まっている場合はそれを使用する)
②玉単価予測と日別の稼働予測から日別売上計画を立てる。
③月間粗利額を日別に配賦し、割数(利益率)をみて微調整をする。もしくは玉粗利をみて微調整をする。
という流れだと思います。つまり作成の主要指標は売上と粗利益、玉単価と玉粗利、稼働と割数(利益率)であり、「どのように利益を確保するか」を考えていく作成をしています。
上記とはまた別の角度で考えた計画立案手法があります。
①月間粗利額を決める。(すでに年間計画で決まっている場合はそれを使用する)
②玉粗利を決める。
③必要な稼働を算出する。
です。この考え方は、
・月間粗利=日別粗利×日数
・日別粗利=台別粗利×台数
・台粗利=玉粗利×アウト
というように粗利益の構成要素を分解していくことで、最終的に「適正と考える玉粗利での、必要な稼働」を決めていく考え方です。この手法の優れているところは「お客様の求めることを考えることが利益につながる(お客様の求めていることをすることで稼働が上がるので、利益が増える)」ということが出発点になっているところです。
営業計画を売上や利益率、割数から立てるとどうしても「お客様が泣いた分だけ」利益が増えることにつながります。これを玉粗利とアウトを基にして計画を立てるように考え方を変えるだけで「お客様が喜んだ分だけ」利益が増えることになります。
今一度、この機会に考え方を「利益を増やすにはアウトを伸ばす」と切り替えてください。この「アウト重視」は、決して利益軽視ではなく、今の時代にマッチした「利益重視」の手法です。