毎週水曜日更新、「 コンサルティングの現場 より 」
このコラムは毎週水曜日に更新します。
先週は計数管理を学ぶ意義についてお伝えしました。「計数知識は必須であり、身につけるためには覚えるのではなく理解することが重要。」という内容でした。
今週は「なぜ、覚えてもダメなのか」についてお伝えします。
私は日ごろから計数管理に限らず全てのことについて「受け身ではなく自発的に」ということをお伝えしています。与えられたものを処理するのではなく、自分から取りに行って物事の処理をする習慣をつけることが「改善」につながる思考になると考えているからです。
例えば同じ内容であったとしても、テレビ番組で得た情報よりも書籍から得た情報の方が身につきやすいです。これはテレビから一方的に流れるものをただ受け取るのは自発的な行動ではないからであり活用、展開につなげる発想になりにくいからです。情報というものは「何を知りたいか」を自分で考えて、取得したものの方が活用されやすくなるのです。
同じことが営業の現場でも起こっています。現在のホールコンピュータは膨大な情報を蓄積しており、画面を見ればいろいろと加工された数字が並んでいます。
確かに情報としては素晴らしい量となりますが、これらをフルに活用されているお店は残念ながら少ないのが現実です。
どうしてせっかくの情報が生かされていないのかというと、やはり画面を「見る」という行動に原因があると思います。
数字、情報は与えられたものの確認ではなく、能動的に(自発的に)自分が操作する、活用する意識を持つことが必要です。そしてその為には(活用するためには)まずは計数を覚えるのではなく、意味の理解から始めるべきなのです。意味を理解することで、「では、○○という結果を得たいならば、△△という指標をこのように変更することで効果が出そうだ」という思考の流れができあがります。
例えば「稼働の改善を考えた場合、BOを短くすることや玉単価を下げることで効果がありそうだ。ということは客滞率を上げればいいこことになるので、手法としてはスタートを上げればいいことになる~」などです。逆に意味の理解のないままに画面を眺めても活用にはつながりません。
「コンピュータは役に立たない。なぜなら答えしかくれないからだ。」
これはスペインの画家パブロ・ピカソの言葉です。コンピュータが進化すればするほど使用している側は考えることが少なくなっていきます。
コンピュータは「道具」でしかなくその道具を生かすのは自分自身です。示された結果を見るのではなく、能動的に情報を取得するためにも数字の持つ意味を理解することが必要になります。そしてそのためにも計数をしっかりと学習してほしいと思います。