■ 大多数が参考とするデータは自店に近い層のものがよい
「パチンコ業界の標準データ」としてはD社提供データが有名です。
しかしこのデータは費用が高額で導入できる店舗(企業)は大手中心とされており、データには偏りがあるのではないか、とされてきました。
そして現在はこのD社以外にもS社、M社、K社が提供している「業界標準データ」があります。
ここは私の主観になりますが各社が収集しているデータ母数の概ねの店舗ランクは、
D社>M社≒K社>S社
と考えられます。
※実際に同期間を抽出して各社が提供しているデータのアウト比較をしたところ、「平均値」とされている数字に上記のような相違がみられました。
こうなるとこれまで「事実上の業界標準データ」とされていたD社について、その「平均値」に違和感が出てきます。
・2018年12月末のパチンコホール経営企業数は3,003企業、店舗数は9,794店。
(株式会社矢野経済研究所調べ)
・1社平均では3.26店舗という計算になるが、店舗数上位201社で4,648店舗なので実は残り2,802社で5,146店、1社平均1.8店舗しかない。
(ジェネピ調べhttp://jenepi.jp/pachinkonews/store-ranking-2018)。
上記データから比較的高稼働店舗データの多いD社データでは、
・「平均値」はかさ上げがされてしまう
・中央値=4,898番目の店舗は平均以下に分類されてしまう
ことがいえると思います。
(参考)平均値は真ん中ではない?(2017.7.6) https://www.ab-c.jpn.com/571
(参考)業界標準(とされる)データについて(2018.9.6) https://www.ab-c.jpn.com/713
これらのことから上位店舗以外の中位~下位店舗は、D社データよりも低いランクの店舗集団データが多いと思われるS社提供データを参考にした方が、より実態に即した比較ができると思います。
■ S社提供データから市場の変化を見る
S社のサービスでは月別、日別、週間、機種別、部門別など多くのデータがありますが、今回はその中の月別データを基に部門別の推移を確認してみます。
(条件)
・2019年4月を100として、2019年1月~2020年5月を比率で表示
・アウト、玉粗利の推移を折れ線グラフとする
・アウトは左目盛り、玉粗利は右目盛り
1.4円パチンコ
(アウト)
・2019年全般は概ね季節指数通りの推移(8月をピークとして下降、年末年始に上昇)
・2019年4月と2020年1~2月はほぼ同じレベル。
・2019年4月と2020年4~5月はそれぞれ43.8%、46.7%と半分以下。
(玉粗利)
・2019年を通して上昇傾向
・2020年2月でいったん低下するも、3月以降で急上昇
2.1円パチンコ
(アウト)
・2019年8月をピークとするが、その後一度も2019年4月を上回ることはなかった
・2019年4月対比で2020年4~5月はそれぞれ47.7%、50.4%
(玉粗利)
・2019年7月に一度低下するも、その後はほぼ一貫して上昇
・2020年4~5月は2019年4月対比で111%となる
3.20円スロット
(アウト)
・他部門に比べて2019年8月に上昇することはなかった
・その後秋から急速に低下し、コロナ影響下の2020年4~5月は54.3%、54.1%
(玉粗利)
・2019年は年間を通して少しずつ上昇し、コロナ影響下では124%、114%と急上昇
4.5円スロット
(アウト)
・2019年~コロナ影響前までは季節指数通りの推移
・コロナ影響下の2020年4~5月は、対2020年4月期で58.6%、61.6%
(玉粗利)
・2019年は年間を通して低下傾向にあったが、コロナ影響下では高い玉粗利の営業
■ 足元の6月はどうか
同じくS社データより、直近4週間のアウト推移を確認します。
5/18~ | 5/25~ | 6/1~ | 6/8~ | |
4円 | 5,140 | 5,240 | 5,280 | 5,670 |
1円 | 9,500 | 10,110 | 10,570 | 11,100 |
20円 | 3,950 | 4,010 | 4,160 | 4,340 |
5円 | 4,990 | 5,200 | 5,670 | 5,860 |
更にもう一つ、直近1週間の推移も確認します。
6/8 | 6/9 | 6/10 | 6/11 | 6/12 | 6/13 | 6/14 | |
4円 | 5,520 | 5,420 | 5,700 | 5,760 | 6,210 | 8,150 | 8,340 |
1円 | 10,920 | 10,850 | 11,280 | 10,920 | 12,360 | 14,950 | 15,430 |
20円 | 4,210 | 4,090 | 4,170 | 4,420 | 4,590 | 6,080 | 6,050 |
5円 | 5,370 | 5,200 | 5,590 | 5,640 | 6,410 | 8,210 | 7,820 |
特に週末において「コロナ前の平日並み」に戻りつつあることが分かります。
■ データの流れは各社同じだが、数値は違う
ここまでS社のデータから感じられることを記載してみました。
ただ、実はD社やM社、K社などその他データ提供システムでも「流れ」はほぼ同じです。
しかしデータの流れは同じでも「参考にすべき数値」としては大多数の店舗はS社を参考にすると、より実態に即した営業ができると思います。「あまりに高すぎるアウトやスタート回転数、低すぎる玉粗利や利益率」のデータを指標とすることは現実的ではないです。
現在、「情報」という経営資源は「あるとよい」ではなく「なくてはならない」経営資源になっています。そしてその情報はできるだけ客観性を持ったものであるべきです。
いま、こういった業界横断のデータを活用されていない店舗も今後は必須となるでしょう。その時に「どの会社のデータを選ぶか」となった場合、できるだけ自社の状況に近い数値を提供している会社を選んでほしいと思います。
そして、大多数の店舗には下位店舗データの多い、S社のデータがマッチすると思います。
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自店にこない遊技客を間接的に把握するために必要な市場統計。
しかし、母集団が偏りの大きい統計データでは、その意味が薄れます。
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